◇ ★ ジェームス・ブラウン論~発刊
【”The James Brown Reader” Now Out In Japan】
編纂。
このところソウル関係での良書の発売があいついでいる。今回ご紹介するのもそんな一冊。タイトルは『JB論 ジェームス・ブラウン闘論集1959~2007』(ネルソン・ジョージ、アラン・リーズ著、押野素子、佐藤信夫訳、スペースシャワーブックス、2940円、2013年9月13日発売)。
これは、1959年以降、ジェームス・ブラウンについて書かれたライヴ評、評論、インタヴューなど膨大な記事から厳選されて編集されたもの。編集したのが、ネルソン・ジョージとアラン・リーズ。どちらもジェームス・ブラウンに詳しい完璧な二人だ。特にアラン・リーズは一時期ジェームス・ブラウンのスタッフとして仕事をしていたこともある。
1960年代の記事などは、実に資料的価値がある。
また、アラン・リーズ、ハリー・ワインガーがてがけたジェームス・ブラウンの編集盤の詳細ライナーノーツなどが再掲されているのもいい。
奇しくも僕が毎週火曜日にやっている「ソウル・サーチン・レイディオ」では毎週1枚ずつジェームス・ブラウンのシングル盤のAB面両方をかけるという「コンプリート・ジェームス・ブラウン・シングルス」というコーナーをやっている。この本を見ながら、そのシングルの時代に合わせて聞くと、これもかなりおもしろいのではないかと思った。
こういうのって、たとえば1959年の記事とか、オリジナル筆者に許諾とかもらうんですかね。相当大変だと思う。それともその当初の新聞社や雑誌出版社がOKすればよいのかなあ。つぶれていたらどうするんだろう。この手が簡単にできるのであれば、いくらでもできちゃいますね。まあ、サンプリング・ソースの権利者を探すプロ、会社があるくらいだから、そこらへんでクリアランスするんだろうけど。でも、これだけまとめるところがすごい。
500ページ超、約40万字超の大作。
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(アマゾンの紹介・説明)
ジェイムズ・ブラウン生誕80周年記念企画!!米国の一流音楽ジャーナリストが、JBの半世紀にわたる音楽活動を網羅し編纂したベスト・リヴュー&インタヴュー集! 「 ブラウンの長い芸歴の間には、祖父母から父母をはさみ孫に至る世代が、彼のシャウト、シェイクやシミーのダンスを見て啓発されてきた。彼の成し遂げた偉業、世に発した宣言など影響は多様すぎて、新聞紙に印刷するならひと山分の木を切り落とす必要があるだろう。もちろん彼の運には浮き沈みがあり、ときには周辺に追いやられ、反抗もされ、パロディや抗議の対象にもなったかもしれないが、ブラウン自身は驚くほど確固たる意志を持った人間だった。彼の核となる価値観と視野は――他人を鼓舞することもあったが、大体において自己中心的で風変わりだった――自分に正直であり続けるという強情ともいえる決意からあふれ出てくるものだった」 ネルソン・ジョージ(覚え書きより抜粋) 「ジェイムズ・ブラウンがいなかったら、世界はまったく違ったものになっていただろう。そして私もみなと同様に、ジェイムズ・ブラウンがいなかったら、自分の人生は全く違ったものになっていただろう」アラン・リーズ(本文より抜粋)
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ARTIST>Brown, James
BOOK>Brown, James