Quantcast
Channel: 吉岡正晴のソウル・サーチン
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5376

◎ ナイル・ロジャーズ&シック、ライヴその恐るべき中毒性の真髄

$
0
0

◎ ナイル・ロジャーズ&シック、ライヴその恐るべき中毒性の真髄

【Addicted To Chic’s Live: Are You Chic-aholic?】

中毒。

白いスーツに身を包んだナイルがギターを持って弾きながら客席の間をステージに向かって歩いていく。ホーンセクションやパーカッションの音が景気よく奏でる冒頭の「ハンギン」。もうそのイントロから観客が総立ちだ。昨年(2012年)末のカウントダウンから今年のお正月ライヴがついこの間だったのに、もうこのライヴが待ちきれない禁断症状が出ている。どうやら、こちらがシック中毒になり禁断症状がでているかのようだ。

今年の来日・帰国以降、ナイルがギターを弾くダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」が世界的な大ヒットとなり、観客もその大ヒットを知っている。その大ヒットによる「旬」ぶりを感じ、観客の期待値空気爆発感がはんぱではない。たった一曲の、しかも、ナイルはゲストなのに、世界的な大ヒットによる影響力は計り知れない。

ミラーボールからの反射光がキラキラと総立ちの観客を照らす。ステージ前だけでなく、両サイドの席の観客も立ち上がり、ここは巨大ディスコさながらだ。

矢継ぎ早にプレイされる大ヒット曲の数々。息つく間もなく、すぐ次のダンス・ヒットが、これでもかこれでもかと出てくる。途中のお約束のストップ・モーションも手馴れたもの。客側もいつのまにかそのナイルのリズムに陶酔していく。日ごろのストレス、嫌なことなどすべてを忘れられるショーがそこにある。何も考えずにエンジョイできるエンタテインメントとしては最高の90分だ。

セットリスト、曲目は文字にするとほとんど毎回同じなのだが、各曲ごとのちょっとしたアレンジや強弱のつけ方が、微妙に違っていて、シックのライヴ初参戦の人も、毎度のリピーターも毎回新鮮に楽しめるところが、ナイルのライヴの不思議なところ、マジックだ。一言で言えば、おそらく曲の並びからパフォーマンスまでひじょうに完成度が高いから何度同じものを見ても満足し、また見たくなってしまうのだろう。ナイルは観客をシック中毒(Chic-holic)(アルカホリック=アルコール中毒ではなく)にしてしまう。これだけ毎回同じであるにもかかわらず、毎回楽しめているのは、オチがわかっている落語を毎回楽しめるのと同じだ。安心して楽しめるというわけだ。

リピーター。

ナイルが「今回がシックのライヴ初めての人?」と尋ねると、1割~2割くらいの人が手を上げた。つまり大半はリピーターなのだ。

フォラミ、キムの熱唱、ドラムス・ラルフとのコネタからの「レッツ・ダンス」、「ロスト・イン・ミュージック」からのメドレー。どれもがわかっていても、毎回のってしまう。

「今年はダフト・パンクやアヴィーチー、ディスクロージャーなんかとも一緒に仕事をした。そして本当にみんなのおかげで素晴らしい一年になった。ありがとう」とナイルが言うと一斉に拍手と歓声があがる。

本編最後で「ラッパーズ・デライト」をはさんだ「グッド・タイムス」が終わると、なんと今年はダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」のCDがかかり、ナイルがそれにあわせてギターをプレイしながら、退場するという演出となった。「ゲット・ラッキー」は、完璧にここではナイルの持ち歌、最新ヒットだ。ナイルはファンにもみくちゃにされながら、通路をゆっくり楽屋のほうに進んでいくのだが、それが時間がかかり、「ゲット・ラッキー」は終わってしまう。それでも、ナイルは意地でもギターのあのリフを延々と弾きながら楽屋まで進んでいくのだ。

しかし、このシック体験すると、なぜか「さあ、明日から僕もがんばろう」と思い自分も元気になる。体(ボディー)はライヴを見て疲れているはずなのに、魂(ソウル)はえらく覚醒している感じなのだ。病気を克服し復活しているナイルを見て、元気な自分なんかもっとがんばらなければいけないと思うからだろうか。不思議だ。海外では、アリーナ、ホール級の大きな会場でしか彼らを見られない中、こんなにアーティストに近いインティメートな一体感あふれる会場で見られる日本のファンは本当にゲット・ラッキーだ。

ステージ最後の音はナイルのギターの音だけなのに、ブルーノートの会場はナイルとシック音楽の残り香がたっぷり、ざわめきの波間に漂っていた。

ナイル、さあ、次はいつ来てくれる? ヤクが切れる前に戻ってきてくれ。

■ ライヴは日曜・月曜・火曜まで、1日2ショー、東京ブルーノートで。

予約問い合わせなど。
http://www.bluenote.co.jp/
〒107-0062
東京都港区南青山6-3-16 ライカビル
【電話】03-5485-0088
mon.-sat. 11:00am-11:00pm,
sun.&holiday 11:00am-9:00pm


■ 前回来日評

ナイル・ロジャーズ&シック~ナイルにとっての特効薬~ナイルと日本の絆がスパークした瞬間 (感動のカウントダウン・ライヴの様子)
2013年01月08日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20130108.html

シック・ナイル・ロジャーズ、バーナード・エドワーズの命日にライヴ~12月年末カウントダウンに再
2012年04月20日(金)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11227042415.html

ナイル・ロジャーズ、1日だけのブルーノート・ライヴ
2011年05月31日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10907507216.html

ナイル・ロジャーズ、万感の思いを込めて15周年ライヴ・スタート
2011年04月14日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10860777137.html

ナイル・ロジャーズ来日記念特集~過去ナイル関連記事
2011年04月15日(金)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10861031113.html
(過去記事一覧)

■ ソウル・サーチン第4話(電子書籍)~シック・ナイル・ロジャーズ物語~友情という名のメロディー (ナイル・ロジャーズとバーナード・エドワーズを巡る感動の物語)

http://amzn.to/15uFxr3

■ セットリスト
Setlist : Nile Rodgers & Chic, November 8, 2013 @ Bluenote Tokyo

show started 21:50
01. Hangin (horn section walking down through isle to the stage)
02. Everybody Dance
03. Dance, Dance, Dance (Yowsah, Yowsah, Yowsah)
04. I Want Your Love – including a riff of I Want To Take You Higher
05. Medley: (5)-(10) I’m Coming Out
06. Upside Down
07. He’s The Greatest Dancer
08. We Are Family
09. Soup For One ~ Lady (Hear Me Tonight) ~ Soup For One
10. Lost In Music
11. Notorious
12. Chic Cheer
13. My Forbidden Lover – a riff of Crazy In Love
14. Let’s Dance
15. Le Freak
16. Good Times – Rappers Delight – Good Times
17. Get Lucky (CD) + Nile’s guitar play
Show ended 23:21

■メンバー

Nile Rodgers(g,vo)
ナイル・ロジャーズ(ギター、ヴォーカル)
Kimberly Davis-Jones(vo)
キンバリー・デイヴィス・ジョーンズ(ヴォーカル)
Folami(vo)
フォラミ(ヴォーカル)
Bill Holloman(sax)
ビル・ホロマン(サックス)
Barry Danielian (tp)
バリー・ダニエリアン(トランペット)(今回初参加)
Rich Hilton(key)
リッチ・ヒルトン(キーボード)
Selan Lerner(key)
セラン・リーナー(キーボード)
Jerry Barnes(b)
ジェリー・バーンズ(ベース)
Ralph Roll(ds)
ラルフ・ロール(ドラムス)

ENT>MUSIC>LIVE>Rodgers, Nile & Chic

■シック・オリジナル・アルバムシリーズ(5枚組)

http://amzn.to/1c5Zqou


Chic (Original Album Series)
Chic (Original Album Series)
posted with amazlet at 13.11.08
Chic
Warner Bros UK (2011-10-11)
売り上げランキング: 51,235


■ナイル本人の編集による究極の2枚組みベスト

http://amzn.to/HFO4yw

エヴリバディ・ダンス!
オムニバス ナイル・ロジャース シック
ワーナーミュージック・ジャパン (2011-04-06)
売り上げランキング: 3,901


■ナイル・ロジャーズとシックの物語がわかりやすくよくわかる「ソウル・サーチン~ナイル・ロジャーズ/シック物語~友情という名のメロディー」 (電子書籍)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5376

Trending Articles