◎ ロバータ・フラック、3年ぶりの来日~自由度の高いライヴ~ダニーの影を探して
【Searching For The Shadows Of Donny】
自由度。
超ヴェテラン、ロバータ・フラックの2010年10月以来3年2ヶ月ぶりの来日。2010年は東京ジャズ、ワウワウのイヴェントなどで集中して来日していたが、今回はちょっと久しぶり。足がちょっと弱っているようだが、喉のほうは問題ないようだ。通常のアーティストは、ライヴ前日に日本に入ってくるが、彼女の場合、時差ぼけを考えて1-2日余裕を見て来日する。
彼女のライヴの特徴は、ほとんど事前にセットリストのない自由度の高いライヴという点。ロバータのその瞬間のムードで歌われる様々な楽曲が毎回違うセットリストを生み出す。次に何が来るか、誰も予期せぬあたりが実にスリリングだ。
メインはピアノの弾き語りで歌い、それをバックがサポートし、その歌声で観客をやさしく包み込む。
僕が見たこのセットはインスト・テーマのあと1曲目にいきなり「キリング・ミー・ソフトリー」を歌い出す。こんな誰もが望む一番の大ヒットを一番最初にやっても、その後もどんどん観客をひき付け、飽きさせることがないのだから、そのミュージシャン力たるやすごい。
スティング作で、僕はエヴァ・キャシディーのヴァージョンが気に入っている「フィールズ・オブ・ゴールド」のロバータ・ヴァージョンを初めて聴いた。バック・コーラスを担当するデリックによるとこの2年くらいレパートリーに入っているそうだ。2年なので、当然日本では初披露らしい。
そして、ステージのロバータを見ていて驚くのが、けっこうマイクを離して持っていてもものすごくよく通る声が響くということ。レコード/CDより力強ささえ感じることがある。
出足のあたりは、声の出が100パーセントではないこともあるが、すぐに全開し、実に声がよく通る。また彼女は観客のリアクションがいいとどんどんのってくるタイプのシンガーだ。それゆえにロバータのお声がけには積極的に反応していきたい。
観客とのやりとりも、ロバータは得意だ。ちょくちょく観客に語りかけるが、「ユーヴ・ガッタ・ア・フレンド」では客席にサビのところを歌わせる。このときは、さすがに歌詞がスクリーンに出れば、みんな合唱するのにと思った。スクリーンに出せないかな。
そして、ロバータは本当に歌のストーリーを観客に伝えるのがうまい。身振り手振りをしながら歌う姿はシンガーである以上にアクトレス(女優)のようだ。
男性バック・ヴォーカル、デリック・ヒューズもそしてキーボードで音楽ディレクターのシェルトン・ベクトンも本当にどちらもいい声をしていて、二人ともちょっとダニー・ハザウェイを思わせる。ロバータがダニーの影をその声に探しているのではないかと推測する。
帰り際にロバータにハグされたSちゃんは、体がマシュマロのように柔らかかったと証言した。
ライヴはこの後、2013年12月14日(土)17時、20時、15日(日)17時、20時、ブルーノート東京、17日(火)青山劇場19時。5回あります。
詳細はこちら。
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/roberta-flack/
■過去記事
ロバータ・フラック・ライヴ評 2010年9月2日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100904.html
ロバータ・フラック~進化し続ける女神
2010年09月04日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10638005227.html
ロバータ・フラックとアル・ジャロウとメイシオ・パーカー:東京ジャズ・セットリスト
2010年09月06日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10640039835.html
ワウフェス~平井堅、ラウル・ミドン、ロバータ・フラック、ダニー・ハサウェイをキーワードに一堂に
2010年10月30日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10691500944.html
2009年07月29日(水)
ロバータ・フラック・ライヴ~マイケル・ジャクソンに捧げる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090729.html
March 08, 2008
Roberta Flack Live: Audience Set Her Soul On Fire
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080308.html
前々回ライヴ評。
April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070418.html
April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070419.html
2007年ライヴ評
■ MEMBER
Roberta Flack(vo)
ロバータ・フラック(ヴォーカル)
Shelton Becton(key,md)
シェルトン・ベクトン(キーボード、ミュージカル・ディレクター)
Russell Graham(key,g,vo)
ラッセル・グラハム(キーボード、ギター、ヴォーカル)
Nicholas Brancker(b)
ニコラス・ブランカー(ベース)
Brandon Mullen(ds)
ブランドン・ミューレン(ドラムス)
Derick Hughes(back vo)
デリック・ヒューズ(バック・ヴォーカル)
Mellissa LaRochelle(back vo)
メリッサ・ラロシェル(バック・ヴォーカル)
■セットリスト
Roberta Flack @ Blue Note Tokyo, December 12, 2013 (Second Show)
show started 21:40
00. Intro : Opening Theme [Rise]
01. Killing Me Softly With His Song
02. I Thought I Knew It All ??
03. Sweet Georgia Brown
04. Isn’t It A Pity
05. Where Is The Love (duet with Derick)
06. Will You Still Love Me Tomorrow
07. Forever Young
08. Fields Of Gold
09. No Woman, No Cry
10. Marvin Gaye Medley: Inner City Blues – Save The Children – Mercy Mercy Me
11. Feeling That Glow
12. I’ll Stand By You
13. You’ve Got A Friend
00. a riff of When I Need You
14. Soft And Gentle Rain
15. The First Time I Ever Saw Your Face
16. Love Me In A Special Way (End Theme)
(2013年12月12日木曜、ブルーノート東京、ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
■ アトランティック時代の作品5枚組。1983円。(輸入盤は値段が変動します)
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【Searching For The Shadows Of Donny】
自由度。
超ヴェテラン、ロバータ・フラックの2010年10月以来3年2ヶ月ぶりの来日。2010年は東京ジャズ、ワウワウのイヴェントなどで集中して来日していたが、今回はちょっと久しぶり。足がちょっと弱っているようだが、喉のほうは問題ないようだ。通常のアーティストは、ライヴ前日に日本に入ってくるが、彼女の場合、時差ぼけを考えて1-2日余裕を見て来日する。
彼女のライヴの特徴は、ほとんど事前にセットリストのない自由度の高いライヴという点。ロバータのその瞬間のムードで歌われる様々な楽曲が毎回違うセットリストを生み出す。次に何が来るか、誰も予期せぬあたりが実にスリリングだ。
メインはピアノの弾き語りで歌い、それをバックがサポートし、その歌声で観客をやさしく包み込む。
僕が見たこのセットはインスト・テーマのあと1曲目にいきなり「キリング・ミー・ソフトリー」を歌い出す。こんな誰もが望む一番の大ヒットを一番最初にやっても、その後もどんどん観客をひき付け、飽きさせることがないのだから、そのミュージシャン力たるやすごい。
スティング作で、僕はエヴァ・キャシディーのヴァージョンが気に入っている「フィールズ・オブ・ゴールド」のロバータ・ヴァージョンを初めて聴いた。バック・コーラスを担当するデリックによるとこの2年くらいレパートリーに入っているそうだ。2年なので、当然日本では初披露らしい。
そして、ステージのロバータを見ていて驚くのが、けっこうマイクを離して持っていてもものすごくよく通る声が響くということ。レコード/CDより力強ささえ感じることがある。
出足のあたりは、声の出が100パーセントではないこともあるが、すぐに全開し、実に声がよく通る。また彼女は観客のリアクションがいいとどんどんのってくるタイプのシンガーだ。それゆえにロバータのお声がけには積極的に反応していきたい。
観客とのやりとりも、ロバータは得意だ。ちょくちょく観客に語りかけるが、「ユーヴ・ガッタ・ア・フレンド」では客席にサビのところを歌わせる。このときは、さすがに歌詞がスクリーンに出れば、みんな合唱するのにと思った。スクリーンに出せないかな。
そして、ロバータは本当に歌のストーリーを観客に伝えるのがうまい。身振り手振りをしながら歌う姿はシンガーである以上にアクトレス(女優)のようだ。
男性バック・ヴォーカル、デリック・ヒューズもそしてキーボードで音楽ディレクターのシェルトン・ベクトンも本当にどちらもいい声をしていて、二人ともちょっとダニー・ハザウェイを思わせる。ロバータがダニーの影をその声に探しているのではないかと推測する。
帰り際にロバータにハグされたSちゃんは、体がマシュマロのように柔らかかったと証言した。
ライヴはこの後、2013年12月14日(土)17時、20時、15日(日)17時、20時、ブルーノート東京、17日(火)青山劇場19時。5回あります。
詳細はこちら。
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/roberta-flack/
■過去記事
ロバータ・フラック・ライヴ評 2010年9月2日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100904.html
ロバータ・フラック~進化し続ける女神
2010年09月04日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10638005227.html
ロバータ・フラックとアル・ジャロウとメイシオ・パーカー:東京ジャズ・セットリスト
2010年09月06日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10640039835.html
ワウフェス~平井堅、ラウル・ミドン、ロバータ・フラック、ダニー・ハサウェイをキーワードに一堂に
2010年10月30日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10691500944.html
2009年07月29日(水)
ロバータ・フラック・ライヴ~マイケル・ジャクソンに捧げる
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20090729.html
March 08, 2008
Roberta Flack Live: Audience Set Her Soul On Fire
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080308.html
前々回ライヴ評。
April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070418.html
April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070419.html
2007年ライヴ評
■ MEMBER
Roberta Flack(vo)
ロバータ・フラック(ヴォーカル)
Shelton Becton(key,md)
シェルトン・ベクトン(キーボード、ミュージカル・ディレクター)
Russell Graham(key,g,vo)
ラッセル・グラハム(キーボード、ギター、ヴォーカル)
Nicholas Brancker(b)
ニコラス・ブランカー(ベース)
Brandon Mullen(ds)
ブランドン・ミューレン(ドラムス)
Derick Hughes(back vo)
デリック・ヒューズ(バック・ヴォーカル)
Mellissa LaRochelle(back vo)
メリッサ・ラロシェル(バック・ヴォーカル)
■セットリスト
Roberta Flack @ Blue Note Tokyo, December 12, 2013 (Second Show)
show started 21:40
00. Intro : Opening Theme [Rise]
01. Killing Me Softly With His Song
02. I Thought I Knew It All ??
03. Sweet Georgia Brown
04. Isn’t It A Pity
05. Where Is The Love (duet with Derick)
06. Will You Still Love Me Tomorrow
07. Forever Young
08. Fields Of Gold
09. No Woman, No Cry
10. Marvin Gaye Medley: Inner City Blues – Save The Children – Mercy Mercy Me
11. Feeling That Glow
12. I’ll Stand By You
13. You’ve Got A Friend
00. a riff of When I Need You
14. Soft And Gentle Rain
15. The First Time I Ever Saw Your Face
16. Love Me In A Special Way (End Theme)
(2013年12月12日木曜、ブルーノート東京、ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
■ アトランティック時代の作品5枚組。1983円。(輸入盤は値段が変動します)
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