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Channel: 吉岡正晴のソウル・サーチン
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★ヴィンテージ・トラブル・インタヴュー

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★ヴィンテージ・トラブル・インタヴュー

【Vintage Trouble Interview】

雄弁。

ヴィンテージ・トラブルのメンバーは、4人とも雄弁だ。とにかくよくしゃべる。一番しゃべるのは、リード・シンガーのタイだが、彼がしゃべると、それに反応してリチャード、リック、ナリーとみんなそれぞれ意見を言う。インタヴューする側としては、よくしゃべってくれるので嬉しい。

『ソウル・サーチン・レイディオ』でご紹介したインタヴュー内容は以下の通り。

「ソウルのカヴァーはやらないか」という質問に。

タイが語る。「実はもうやってるんだ。君はソウル・ミュージックに詳しいということだが、僕らの友人ですばらしいシンガー、ベス・ハートと一緒にアイク&ティナ・ターナーの「ゲット・イット・オン」、「レッツ・ゲット・イット・オン」をやっている。最近、この曲を発見してね。ベス・ハート&ヴィンテージ・トラブルでこれを初めてやったのは、オランダだったと思う。素晴らしい反応だったので、レコーディングしたいと思った。そこで、UCLAにある小さなスタジオに行って録音した。こうやっていろんなアーティストと一緒にやることは本当にいいね。50年代60年代はけっこうお互いいいと思えばそういうことをよくやったよね。レコード会社がやらせてとかじゃなくてね。ただレコード会社内でつながりあったからできたということもあるんだろうけどね。たとえば、オーティス・レディングとカーラ・トーマス、マーヴィン・ゲイとタミー・テレルなんて本当に素晴らしいコラボレーションだよ。別にそれはソウル・ミュージックなどに限らない、デイヴィッド・ボウイ、クイーンだってみんないろんな連中とやっている。だからみんないろいろと一緒にやればいいと思うね。僕はそういうのが大好きだ」

ナリー(スウエーデン出身のギタリスト)。「僕たちは基本的にはオリジナルを中心にやりたいんだが、でも、そういう要望があればいつでもやるよ。扉は開かれてる。いいアドヴァイスがあれば、きくよ」

リチャード(ドラムス)。「ジョー・コッカーがビートルズのカヴァーをやったような、のもおもしろいかもしれない」

リック(ベース) 「昔、ライヴでサム&デイヴの曲やってたよね。『ホールド・オン・アイム・カミン』。昔のヴィンテージ・トラブル初期時代ね。エタ・ジェームスの『アイド・ラザー・ゴー・ブラインド』もやってたな。サム・クックの『ブリング・イット・ホーム・トゥ・ミー』もやったな」

M07 Lo And Behold - Vintage Trouble
M08 Run Outta You (Acoustic) -Vintage Trouble
BGM Nancy Lee - Vintage Trouble

「あなたたちがルーツとしていて、その影響が強い60年代、70年代の音楽は、なぜ今でも、我々をこれほどまでに引き付けるのでしょうか」

リック。「つまり、あのころの音楽は、スタイルが古くならないから、その魅力が消えないからだと思う。そのスタイルはただのトレンディーもの、流行ものではなく、ちゃんとしたスタイルがあって、タイムレス、時代を超えたものだからだろう」

ナリー。「とてもシンプルで、レコーディングもリアルだから、曲のアレンジも、そしてなによりもシンプリシティー(単純さ、わかりやすさ)があって、タイムレスだからだと思う」
リチャード。「とても、あのころの音楽はピュア、純粋で、何も隠していない、すべてをさらけだしているからだと思う。別に今日の音楽が何かを隠しているというわけではないが、今のレコーディングはたくさんのトラックを使い、なんどもオーヴァーダブ(重ねて)録音したり、ものごとを修正する、直してるよね、すべてをパーフェクト、完璧なものにする。だけど、あのころの音楽は、そういう意味では完璧ではなかった。とても人間味あふれるものだった。僕たちも完璧じゃない。息を完璧にし、感情を完璧にコントロールするわけじゃない。ソウル、魂、そういうものは完璧なものじゃない。あのころの音楽はそうしたソウルのようなものをたくさんもっていたんじゃないかな」

M09 Total Strangers - Vintage Trouble
BGM/TM Nobody Told Me - Vintage Trouble

「グループのミッションについて」

タイ。「僕たちはずっとソウル・サーチンをしているんだ。バンドとしての僕たちのミッション(使命)は、ソウルの本質をつかんで、できるだけ多くの人にそれを伝えることだと思っている。いま、ロスアンジェルスにやってきて、ここでレコーディング契約を取ろうとすると、自分の本質に目をつぶって、やりたくないこともやらなければならなかったりする。だから、僕たちは自分たちがこのバンドを結成したころの初心に戻って、その頃、何を世界に伝えたかったか、どんなメッセージを世界に広げたかったかを再確認するんだ。僕たちはできるだけ、自分たちの深いところで(自分たち自身も、ファンたちとも)ソウルにつながっていたい。そして、その本質的なものを、より大きくしてみんなに届けたいと思ってるんだ。自分の夢を実現しようとするがために、自分の本質をあきらめてしまうことがたくさんある。でもそうやって夢を実現しても、そんな彼らはハッピーではないように見える。彼らは夢の本質を忘れてるんだ。車を買って、お金を手に入れる。でも、彼らは自分が好きでもない曲を毎晩演奏しなければならない。だから僕たちのミッションは、自分たちの心に真摯に向き合って、僕たちのソウルの本質をレコードに吹き込み、みんなに伝えるということなんだよ。それでもし、ラッキーならそれがうまくいけば、この世界はもう少しスピリチュアルな世界になると思うんだよね」


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