◇『ジャージー・ボーイズ』~フォー・シーズンズの栄枯盛衰
(少しネタばれになります)
【Jersey Boys Movie】
映画。
元々ミュージカルとして大ヒットしていたニュージャージー州出身のヴォーカル・グループ、フォー・シーズンズの栄枯盛衰を描いた『ジャージー・ボーイズ』。これをクリント・イーストウッドが映画化した。
製作予算4000万ドル(約40億円)で、現在まで全世界で興行収入6100万ドル(約61億円)をあげている。見事なヒットだ。
物語は、グループのリーダーであり、創設メンバーのトミー・デヴィートが観客に語り掛ける形で進む。
当時のヴォーカル・グループが無名から徐々に有名になっていく過程で、さまざまな葛藤や、外部とのトラブル、仲間割れ、裏切り、そして成功などが描かれる。
もともと音楽好きで、映画作りの匠であるクリント・イーストウッドが監督するだけに、きっちりとした人間ドラマを描く映画になったと思う。
音楽プロデューサー、ボブ・クリューが4人の若者と契約し、ソングライターのボブ・ゴーディオとともに「シェリー」を書き、これが大ヒット。いよいよフォー・シーズンズの快進撃が始まる。
ところが好事魔多し、リーダーのトミーが巨額の借金を抱えていたことが発覚。それを返済するために、フランキーはギャングの息のかかったラスヴェガスのクラブでひたすら歌い続けなければならなくなった。
そして、ツアーにつぐツアーで家庭を顧みることがなかったフランキーと娘フランシーヌとの関係も悪化。娘はドラッグ中毒に。そして生まれるフランキーのソロ・シングル「キャント・テイク・マイ・アイズ・オフ・オブ・ユー」(君の瞳に恋してる)。
20数年後、グループが「ロック殿堂」入りを果たすときに、メンバーが再会する。
フランキーのナレーションが物語を締める。「フォー・シーズンズで一番楽しかった時期は、成功する前だった。すべての希望に満ち溢れ、4人が街灯の下で歌っていたあの頃だ」
ギャング役のクリストファー・ウォーケンが実にいい味をだしていた。そして、フランキーの性格が良すぎた。ほんと、いい奴だったんだなあ、と。
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音楽ファンにとっては、ちょっとしたトリヴィアネタもおもしろい。日本では『タモリ倶楽部』のテーマ曲として知られるロイヤル・ティーンズの「ショート・ショーツ」は、ボブ・ゴーディオが書いていた。
「キャント・テイク・マイ・アイズ・オフ・オブ・ユー」の誕生秘話はぜひスクリーンで。
http://youtu.be/toarcsqfrl4
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