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Channel: 吉岡正晴のソウル・サーチン
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◎竹内まりや~四半世紀越えのシンガー・ソングライター~笑いと涙の3時間

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◎竹内まりや~四半世紀越えのシンガー・ソングライター~笑いと涙の3時間

【Mariya Takeuchi Asks Questions To Audience】

市場調査。

アンコールを含めて全27曲3時間のショー。トークと歌がたっぷりの笑いと涙の3時間だった。

それにしても、前回のライヴが4年前、ツアーとなると33年ぶりという、「ほとんどライヴをやらないアーティスト」の代名詞となっている竹内まりや。そのステージ裁きぷりは本当に堂々としていた。

長く音楽を続けてきたということがどういうことなのか。それは途中で「年代市場調査」と言って、10代から70代、80代まで拍手をさせて人数を探ったところでもわかった。結果、50代と60代が一番多かったが、それでも10代や80代までいたのには驚いた。これぞ老若男女に好かれる典型的なアーティストだ。

彼女の声、歌い方は本当にクセがなく、誰にも嫌われない歌の基本、お手本とも言えるもの。

トーク。

それにしても、曲間のトークもまたおもしろく、実に受けた。松たか子さんと結婚したギターの佐橋さんいじりはその中でも一番おもしろかった。

1984年に出産して以後は完全なマイペースで、オファーを受けた仕事を丁寧にこなし、それがたまってアルバムを作る、というスタイルで30年。いつの間にか、あっという間の30年だ。

それはおそらくこの日、武道館に足を運んだ50代から60代のもっともメイン(コア)となる聴取層にとっても同じだ。まさに、自分と同年代のシンガー・ソングライターが、自分と同じような社会に生きている生活感、気持ちを歌に託し、それが共感を得た。ふだんはおそらく忙しくて毎日レコードやCDを聴くこともできないような人たちが、ほんの年末のひとときに時間を取って、自分がずっと聴いてきたアーティストのライヴに足を運ぶ。いい作品を丁寧に作り、支持されることが結果的に多くの人々を会場に足を運ばせることにつながる。

ゾーン。

丁寧に作られた曲は職人技、それは夫・山下達郎ゆずりなのかもしれない。そんな中でも本編ラスト2曲に配置した「静かな伝説(レジェンド)」と「人生の扉」は、ソングライターとして、またアーティストとして彼女が新たなる「ゾーン」にはいったのではないかと強く感じた。

竹内まりやと山下達郎という二人が真摯に作品を作り、まじめに人生を歩んできたことが何よりも多くの人から支持されているという事実が素晴らしいと思う。

最後のアンコール曲、ピアノの弾き語りでたった一人歌いきった「いのちの歌」を終え、ステージ中央で深々と、そして、長く長くお辞儀をして頭を上げた時に、彼女の目がうっすら光っていたのを見て、一気にこちらの涙腺も崩壊した。

数少ない貴重なエクスペリエンス(体験)空間時空だからこそ、その時空は密度が濃い。

幸せ。

彼女は、MCであと何回桜を見ることができるのか考える時期に来ているといったことを言っていたが、ライヴを鑑賞する側としても、あといったい何本、これほど感動を得られる密度の濃いライヴに触れられるかという思いを持ってしまう。僕は音楽を作るのではなく、紹介する立場ではあるが、こうして音楽を聴き、感動できる人生を持てたことは何よりも幸せなことだなあ、と改めて感じた夜だった。


{CEEDFCE4-51AB-4AFC-B703-20AFF02D033D:01}



まりやさん、MCの中でちょっとしたなぞかけをやっていた。そのうちのひとつ。

かつおとわかめとたらちゃんが、デパートに買い物に行きました。そうしたら、店員さんがわかめちゃんのところばかりによってきて、あれこれ勧めてきました。ほかの二人のところにはぜんぜんいかない。なぜだ?

答えは、セットリストの下に。

■過去記事

2010年12月08日(水)
竹内まりや10年ぶりのライヴ~芳醇に色香を持つ楽曲の輝き
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10729783304.html

■メンバー

竹内まりや: Vocal, Guitars, Piano

山下達郎: Guitars, Musical Director, Background Vocal
伊藤広規:Bass
小笠原拓海:Drums
佐橋佳幸:Guitars
宮里陽太:Saxophone
難波弘之:Acoustic Piano
柴田俊文:Keyboards
国分友里恵:Background Vocal
佐々木久美:Background Vocal
三谷泰弘:Background Vocal

■セットリスト 「souvenir 2014」
2014年12月21日(日) 日本武道館

Show started 17:39
01. アンフィシアターの夜
02. 家(うち)に帰ろう(マイ・スイート・ホーム)
03. マージービートで唄わせて
04. Forever Friends
05. 戻っておいで私の時間
06. ドリーム・オブ・ユー
07. 五線紙
08. たそがれダイアリー
09. Oh No, Oh Yes
10. 元気を出して
11. ウイスキーが、お好きでしょ
12. 告白
13. シングル・アゲイン
14. 象牙海岸
15. 駅
16. 幸せのものさし
17. プラスティック・ラヴ
18. Sweetest Music
19. 静かな伝説(レジェンド)
20. 人生の扉
Encore 1.  すてきなホリデイ
Encore 2. 不思議なピーチパイ
Encore 3.  September
Encore 4. J-Boy
Encore 5  リンダ(コーラス3人+山下達郎とアカペラ)
Encore 6  Let It Be Me (duet with 山下達郎)
Encore 7 いのちの歌 (ピアノ弾き語り)
Show ended 20:34

(なぞかけの答え)海藻(買いそう)だから。

(2014年12月21日日曜、日本武道館、竹内まりやライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>

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