○『レイジー・サンデイ』でベティー・ラヴェット新作をご紹介
【New Betty Lavette Album On Lazy Sunday】
新作。
日曜日(2015年1月18日)は、前週の番組『レイジー・サンデイ』との合同新年会反省会(あるいは打ち上げ会)で番組に再度おじゃました。一曲もってきてということで、ちょうど今ライナーノーツを執筆中のベティー・ラヴェットの新作『ウォーシー』を持って行った。
これは下北沢の新年会にも持って行ったのだが、そのときは日の目を見なかった。(笑)
ベティー・ラヴェットは古くからのソウル・ファンにはアトランティック時代の作品や、モータウンのアルバム、ウェストエンドの12インチなどが知られているが、世界的には2000年代に入ってから、特にロック・ジャーナリズム方面から注目されるようになった異色のソウル・シンガーだ。
今作は11曲入り、全曲白人のシンガー・ソングライターの作品ばかりで、ほぼカヴァー。といっても、誰かの大ヒットではなく、埋もれた作品、名曲を丁寧に掘り起こした作品集だ。初めて聴く楽曲も多い。どれも、ベティー節全開で、彼女のオリジナルといってもいいほど。この解釈力は本当にすごい。
今作でもベティー・ラヴェットの夫ケヴィン・カイリーが選曲などで大いにアドヴァイスを与えた。ベティーが言う。「私たちが一緒にいればいるほど、彼は私のことを知り、私がどんな曲を歌ったらいいか、彼にはわかるようになった。その曲が好きだからという理由で推薦してくる他の人とはちょっと違っていて、彼が選んでくるものはすべて聴いて、その中から私が気に入ったものを選んだ」
ボブ・ディラン、ビートルズ、ミッキー・ニューベリー、オーヴァー・ザ・ライン、ローリング・ストーンズなどの作品が集められているが、番組でかけたのはプロデューサー、ジョー・ヘンリーが書き、2000年にマドンナが「ドント・テル・ミー」のタイトルでヒットさせた曲の、そのオリジナル「ストップ」。
これをかけたところ、ジョージ・カックルさんは、「こういうソウルは大好きなんだよね」。そしてこれを受けて、似たサウンドのシャロン・ジョーンズ&ダップキングスの曲をピックアップした。
ベティー・ラヴェットは自伝『ア・ウーマン・ライク・ミー』をデイヴィッド・リッツとともに書いていた。そして、この自伝がかなりおもしろいようだ。この自伝を読んだアリシア・キーズが映画化権を獲得、アリシア本人がベティー役を演じることを含め、映画化を検討しているという。
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ところで番組宛ツイッターでうれしい投稿が。
keiri @m_keiri 2015年1月18日13時40分
#lazy761 吉岡さんの #ssr761 聴き手の立場で、色々なシチュエーションで聴くことを考えて、録音してるリスナーのことも配慮して、明快な発音でのミュージックナビゲートはプロフェッショナルを感じてました~♪ #interfm 吉岡さんは #ssr761 聴いててリスナー思いNo. 1 DJって思う!
ありがたいお言葉です。
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この日は、ジョージさんたちが「ちょっとした浮気」をテーマにトークしていて、ビリー・ポールの「ミー・アンド・ミセス・ジョーンズ」をかけていたので、これを受けてドン・コヴェイの「アイ・ウォズ・チェッキン・アウト、シー・ウォズ・チェッキン・イン」も用意しておいたが、ボツ。(笑)
出番が終わってロビーにいると、ピーター・バラカンさんがお早いお着き。ベティー・ラヴェットの新譜の話をすると、まだ持っていないというので、手持ちのCDRと書きかけのライナーノーツのコピーを差し上げた。
以前のレーベルはAntiというレーベルだが、今回はレッド・チェリー。Antiというのは、発音はアンティですか、アンタイですか、と尋ねると、アメリカではアンタイ、イギリスではアンティかなあ、とのこと。「でも、英語で表記すればいいんじゃない?」と。
その後、メイ J.のライヴを見に武道館へ。
このライヴ評はまた改めて。
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ベティー・ラヴェット最新作『ウォーシー』、2015年1月27日発売(輸入盤)(日本盤はディスク・ユニオンから2月18日リリース。日本盤ライナーノーツ:吉岡正晴)国内盤はDVD付きになる予定
Cherry Red (2015-01-27)
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デイヴィッド・リッツ/ベティー・ラヴェット著 ア・ウーマン・ライク・ミー (英語)
Blue Rider Press
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RADIO>Lazy Sunday
BOOK>Lavette, Betty
ARTIST>Lavette, Betty