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Channel: 吉岡正晴のソウル・サーチン
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◎ディアンジェロ・ライヴ評(パート2)~ライヴでのもっともソウルだった瞬間10

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◎ディアンジェロ・ライヴ評(パート2)~ライヴでのもっともソウルだった瞬間10

【D’Angelo Live Review (Part 2) : The Most Soulful Moment Of D’Angelo Live】

モーメント。

ディアンジェロの昨日のライヴ評に書ききれなかったものを簡単に。

圧巻のディアンジェロ・ライヴ。僕はふだんソウル系のライヴばかりを見ているので、個人的に感じた彼の「ソウルな瞬間(モーメント)」10を列挙。特に順位ということではありませんが、思いつくままに。

1 とにかくノンストップの演奏

始まりからアンコール手前まで、一瞬のブレイク以外ほぼノンストップで奏でられたライヴ・パフォーマンス。ジェームス・ブラウンもプリンスもマイケル・ジャクソンもスタイリスティックスもテンプテーションズもゴー・ゴー・サウンドのライヴもたくさんのソウル・アーティストたちがほぼノンストップで曲をメドレーにしてやる。いわゆるMCなしだ。このノーMC、ノンストップが実に昔ながらのソウル・ショーを思わせた。また加えてCDで聴かれる以上のグルーヴ感はたまらない。

2 マイク・スタンドのトリック

後半ところどころで見せたマイク・スタンドを操るシーン。ジェームス・ブラウンのお得意技だが、僕はジェームス・ブラウンで刷り込まれているので、やはりソウルを感じてしまう。(今回はコードレスで、マイクスタンドの下の部分(支える部分)をうまく利用して、マイクをキックしているようにコントロールしていました。複数の読者の方からご指摘いただきました。お詫びして訂正します。コードレスではプリンスが同じようにやっていたのを思い出しました)

3 「グッド・ゴー(Good God=グッド・ゴッド)」の掛け声

これも同じくジェームス・ブラウン、プリンスが得意とする掛け声なので、どうしても彼らを思い起こしてしまいソウル度高し。

4 ストップ・モーションでのもったいぶり方

曲の途中でバーンとやって全部の音が止まり、本人もステージ上でフリーズするモーメント。あれがもっとも得意なのは、マイケル・ジャクソンだが、そのタメともったいぶり方がソウルなモーメント。(ちょっとどの曲だったかメモした字が汚くて判別不能なのだが…(苦笑))(ひょっとしたら「チキン・グリース」のところか? 誰か覚えてる人がいたら教えてください)

5 「シャレード」でのジェシー・ジョンソンの大フィーチャー

ジミー・ヘンドリックスの影響も強いプリンスのところのグループ、ザ・タイムのギタリストだったジェシーが、「シャレード」でちょっとしたソロを堂々と披露する。ザ・タイム信奉者としては、あれはぐっと来るモーメント。ロックなモーメントといってもいい瞬間。ジェシーは昔、ミネアポリスでインタヴューしたなあ。あのときもかっこよかった。

6 「エイント・イット・ファンキー・ナウ」のところでのブレイク

本編最後の「シュガ・ダディー」後半でジェームス・ブラウンの「エイント・イット・ファンキー・ナウ」のリフが演奏されるが、その中で「ワンタイム!」「ファイヴ・タイム!」などとブレイクの回数を言って、全員のジャンジャンジャンというブレイクが何度も行われるモーメント。これもジェームス・ブラウンを始めるブラック・バンドが得意とする技だが、やはりあがる。

7 「アンタイトルド」の観客とのコール・アンド・レスポンス

アンコール最後のソウルフルなバラード「アンタイトルド」のサビ部分「ハウ・ダズ・イット・フィール」のところを観客にふり、ディアンジェロと観客のコール・アンド・レスポンスが成立するモーメント。

8 「リアリー・ラヴ」のファルセット

バラードの「リアリー・ラヴ」でのディアンジェロのファルセット・ヴォイス。ファルセットではないがスモーキー・ロビンソン、アル・グリーンらのハイ・ヴォイス、カーティス・メイフィールドなどを思い起こさせる。

9 「ブラウン・シュガー」という曲そのもの

これは曲そのものがソウル度120%。CDで聴いても、ライヴで聴いても、そのグルーヴ、ブリッジへの行き方、構成などすべて完璧なソウル。

10 エンディングで一人ひとりとハグして出ていくシーン

一人ひとりとディアンジェロが各メンバーとハグやフィスト・バンプ(グータッチ)をして彼らが去って行くシーン。あのシーンはソウルどうのこうのではなく、よいシーンだった。

~~~

きっとあの会場にいた2000人以上の人々は、みなそれぞれにソウルやロックを感じた瞬間があったでしょう。その瞬間を記憶に残すためにメモ書きしてみました。あなたのモーメントはどこでしたか。

■ディアンジェロ&ザ・ヴァーンガード・ライヴ・アット・ノース・シー・ジャズ・フェス

2015年7月10日ノース・シー・ジャズで行われた演奏。今回の来日メンバー11人中9人が参加、現在の音に近いもの。音源のみ。
https://www.youtube.com/watch?v=USIRm9aN7D0


■過去関連記事

ディアンジェロ・ライヴ評(約2900字)

◎ディアンジェロ・ライヴ@ゼップ(パート1)~リアル・ミュージシャンのリアル・ミュージック~ソウル、R&Bの過去現在未来 
2015年08月20日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12063447784.html

■メンバー

D’Angelo & The Vanguard

◎D'Angelo (Vocals, Electric Piano, Guitar)
◎Jesse Johnson (Guitar I)
◎Isaiah Sharkey (Guitar II)
◎Pino Palladino (Bass Guitar)
◎Chris Dave (Drums)
◎Rodrick Cliché Simmons (Hammond/Keyboards) 
◎Keyon Harrold (Trumpet)
◎Kenneth Whalum (Sax)
◎Jermaine Holmes (Background vocals)
◎Charles “Red” Middleton (Background vocals)
◎Joi Gilliam (Background vocals)

■セットリスト Setlist : D’Angelo & The Vanguard @ Zepp Tokyo, August 18, 2015

Show started 20:13
01.Drone
02.Ain’t That Easy
03.Vanguard Theme
04.Betray My Heart
05.Spanish Joint
06.Claire Fisher: Interlude
07.Really Love
08.The Charade
09.Brown Sugar
10.Sugah Daddy - a riff of Ain't It Funky Now [James Brown]
Enc. Left And Right
Enc. Chicken Grease
Enc. What It Do
Enc. Untitled (How Does It Feel)
Show ended 22:08

(2015年8月18日火曜、お台場ゼップ東京、ディアンジェロ・アンド・ザ・ヴァンガードライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>D’Angelo & The Vanguard

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