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Channel: 吉岡正晴のソウル・サーチン
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◎オリト・ソウル・レヴュー2016~笑いと涙の2時間半

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◎オリト・ソウル・レヴュー2016~笑いと涙の2時間半

【Orito Soul Review 2016 : Filled With Laughter & Tears】

凝縮。

今から8年前2008年2月23日、43歳の若さで死去した日本のソウル・シンガー、オリトのレガシーを伝えていく「オリト・ソウル・レヴュー」が約1年ぶりに2016年3月27日日曜日渋谷デュオで立ち見客もでる超満員の中行われた。

今回はセットリストを凝縮し、想定2時間15分のショーで企画、ただ実際はジェイさんのトークなどが伸びて2時間半くらいになったが、かなりいいまとまり方になった。

圧巻だったのは、初登場露崎春女の歌った『ドリーム・ガールズ』からのジェニファー・ホリデイ、ジェニファー・ハドソンの「アンド・アイム・テリング・ユー、アイム・ノット・ゴーイング」。簡単に、「この曲は男に振られた女が、私はあなたと別れません、と言ってる怨念のこもった歌です」と説明してから歌った。その説明も効いてか、迫力ある歌唱が超満員の客席からこの日一番長時間の拍手を獲得した。特に途中低音からうなる瞬間に観客からやんやの喝采が起こり、これには歌っている露崎も後で「ここのお客さん、最高」と感激していた。今までも歌ったことがあったが、皆静かに聴いていてここまで反応してくれたことはなかったという。これはこの日のハイライトだった。

その後、女性全員で「レディー・マーマレード」、男性全員で「グッドナイト・ベイビー」が歌われたが、後者でのリード・ヴォーカルがギターの星川さん。これは受けた。(笑)

そして、最後に全員で「感謝の歌」が歌われたが、やはり参加者がそれぞれ少しずつ歌い、オリト版「ウィ・アー・ザ・ワールド」になってきた。一般的にはとても大ヒットとは言えないが、毎年こうやってここで歌われることによって、じわじわと参加している我々の中の奥深くに浸透してきている実感を持つ。そしてこの充実度、あるいは密度の濃さをいかにオリトを知らない人に広げていくかが、ひとつの課題のような気がしてきた。

ちょうど僕の隣にオリトの奥さんとお嬢さんが座ってずっと見ていたのだが、ちらっと横を見たら、ハンカチで目を押さえていた。

ライヴ本編、アンコールが終わり、彼女たちが紹介されると、観客が全員そちらを向き、一斉に拍手が巻き起こった。小さなカリンちゃんは「ありがとうございます!」と下の観客に声を放っていた。

終わった後、彼女に「パパのことは覚えていますか?」と尋ねると、「はい」とはきはきと答えた。

プロデューサーの鈴木康蔵さんによると、現在10歳(来月11歳=2005年4月生まれ)の彼女は1年ほど前からサックスを習い始めたという。ひょっとしたら来年のこの回で彼女がステージに上がるなどということもあるかもしれない。鈴木さんは、「彼女がレイラ・ハザウェイのように育っていって欲しい」と夢を語る。「彼女がデビューするまで、オリト・ソウル・レヴューは絶対続けます」と断言した。

まさにそれが実現すれば、オリトの過去現在未来がつながっていく。

昨年のレヴューでも書いたが、オリトの存在がこのイヴェントのおかげで、年々大きくなっているのを実感する。オリトを軸に、ここでつながったアーティストたちが、それぞれいろいろな展開をみせることによって、オリトの存在が大きくなっていく。

MCはみな芸達者で多くが笑いを取り、そして、エンディングで泣かせ、笑いと涙の2時間半となった。

ライヴ後の打ち上げでは、すっかりオリト話などで花が咲いた。

■過去オリト・ソウル・レヴュー

2008年2月23日逝去

2008年7月15日 トリビュートライヴ 渋谷デュオ、7月27日=大阪クアトロ
2010年2月21日 高円寺ジロキチ
2011年4月5日 渋谷デュオ、4月10日大阪ジャニス
2012年3月16日 吉祥寺スターパイン・カフェ、21日大阪ジャニス、20日広島ブルーライヴ
2013年4月5日 横浜サムズアップ
2014年2月22日 名古屋ボトムライン、23日大阪ベロニカ
2015年4月12日 渋谷デュオ
2016年3月27日 渋谷デュオ

■過去関連記事

オリト訃報
2008年02月27日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10075704866.html

「オリト・トリビュート・レヴュー」ライヴ@渋谷デュオ~オリトの元にワン・ネーション
2015年04月15日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12014226286.html

2006年3月OA閉店パーティの模様↓
March 13, 2006
OA Farewell Party
http://blog.soulsearchin.com/archives/000883.html

May 10, 2006
The Last Day For Soul Snack OA, Aoyama
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_05_10.html

May 11, 2006
OA Finally Closed Its Door
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_05_11.html

(速報・訃報)シンガー、オリト急死
2008年02月24日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10075107855.html

オリト死去
2008年02月27日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10075704866.html

2008年07月16日(水)
オリト・トリビュート・ライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080716.html

オリト・トリビュート・ライヴ~オリトのもとに一致団結
2011年04月07日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10853821715.html

オリト・トリビュート~逝去から5年~広がるソウルの輪
2013年04月07日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11506146167.html

オリト・トリビュート~~OA(オーエー)のママとオリト
2013年04月08日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11507100348.html

オリトが寄せ書きに記したメッセージ~オリトとソウルOAのママ
2013年04月11日(木)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11508910858.html



ORITO TRIBUTE ~また、君に感謝しなくちゃね。~
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セットリスト~オリト・ソウル・レヴュー2016
Setlist March 27, 2016 @Shibuya DUO

[ ] denotes original artists, ( ) denotes singers tonight

Show started 18:09
00. Introduction/MC
01. Who’s Making Love [Johnny Taylor] (シュガ・ピプンス)
02.    Mayfield (シュガ・ピンプス)
03. Our Beat (フリーファンク艦長)
04. Purple Rain [Prince] (フリーファンク艦長)
05. How Sweet It Is [Marvin Gaye] (中澤ノブヨシ)
06. TGIF (露崎春女)
07. And I’m Telling You, I’m Not Going [Jennifer Holiday, Jennifer Hudson] (露崎春女)
08. Afraid Of Losing You (チャカ) 
09. I Can’t Turn You Loose [Otis Redding] (チャカ)
10. Lady Marmalade [Labelle] (チャカ、露崎、ペコ、メメ)
11. Goodnight Baby [キング・トーンズ] (男性歌手全員)
12. DJ Feel Good (村上てつや)
13. Special Lady [Ray Goodman & Brown] (村上てつや)
14.  I’m Yours (ジェイ公山)
15. Precious, Precious [Otis Clay] (ジェイ公山)
Enc. 感謝の歌 (全員)
Members off stage, 20:32
Show ended 20:35

■メンバー

村上てつや(ゴスペラーズ)
JAYE公山
CHAKA
露崎春女
Suga Pimps (高橋篤=Funky T、ジュン・ベイ)
FREEFUNK艦長
中沢ノブヨシ
星川薫
TOMICA
Sista Mei-Me

<ORITO SOUL BAND>

星川薫(G, MD)
中沢ノブヨシ(G)
池間史規(B)
柿崎洋一郎(Key)
三浦晃嗣 (Ds)

山本一(SAX)
清田 ”ESP” 晃平 Kohey “ESP” Kiyota (trumpet)
小柴“シバケン”憲二 Kenji “Shibaken” Koshiba (baritone sax)

ENT>MUSIC>LIVE>Orito Soul Review>2016

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