〇ジェットストリーム50周年
【50th Anniversary Of Jet Stream】
半世紀。
FM東京の人気長寿番組『ジェットストリーム』が第一回の放送開始から2017年7月3日で、ちょうど50周年を迎えるという。それにともない、7月2日(日)放送の「山下達郎サンデイ・ソングブック」で「ジェットストリームで棚ツカ」の特集が放送された。
『ジェットストリーム』は城達也さんの名ナレーションの番組、1967年7月3日、当時は東海大学の実験放送局として始まっていたFM東海という民間FM局の一番組として始まった。
それまでAM局全盛でFM局は唯一NHK-FMがあっただけで、いわゆる民放の前身でもあるFM東海は画期的だった。
僕も御多分に漏れず、深夜12時からこれをよく聴いていた。ちょうど『オールナイト・ニッポン』が深夜1時から始まるので、その前に「ジェットストリーム」を聴いていたのではないかと思う。ところが、AM局は電波は強力だが、当時のFM東海は、おそらく出力が1キロワットくらいで、NHK-FMなどと比べると電波が入りにくかった。NHK-FMは10キロワットだったのではないか。FMチューナーのアンテナ・コードをあちこちに動かしながら、できるだけいいポジションで受信できるように苦労していたことを覚えている。
それはさておき、この『ジェット・ストリーム』はいわゆるイージー・リスニング(・ミュージック)の番組だ。1970年代初期だったか、キョードー東京が「ラヴ・サウンズ」と銘打ってイージー・リスニングのオーケストラなどを招聘していた。
この番組はその選曲とともに、城達也さんのナレーションが大きな魅力だった。
番組始まりのナレーション。
遠い地平線が消えて、
深々とした夜の闇に心を休める時、
遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は、
たゆみない 宇宙の営みを告げています。
満点の星をいただく果てしない光の海を、
豊かに流れゆく風に 心を開けば、
煌く星座の物語も聞こえてくる、夜の静寂の、
なんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていったはるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります。
これからのひと時。
日本航空が、あなたにお送りする
音楽の定期便。「ジェットストリーム」。
皆様の、夜間飛行のお供を致しますパイロットは、
わたくし、城達也です。
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そして、エンディングのナレーション。
夜間飛行の、
ジェット機の翼に点滅するランプは、
遠ざかるにつれ、
次第に星のまたたきと
区別がつかなくなります。
お送りしておりますこの音楽が、
美しくあなたの夢に
溶け込んでいきますように。
日本航空がお送りした音楽の定期便、
「ジェットストリーム」
夜間飛行の
お供をいたしましたパイロットは
わたくし、城達也でした。
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「ジェットストリーム」のテーマがフランク・プールセルの「ミスター・ロンリー」であることをやっとつきとめ、レコードを買ったら、ラジオから流れる音と違って愕然とした。番組テーマが達郎さんの今の説明のように加工されていることを知ったのはその時だった。 #sundaysongbook
それにしても、50周年、って半世紀。すごいなあ、と思う。しかも、毎日のオビ番組だ。
■フランク・プールセルの「ミスター・ロンリー」収録
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