○8月11日はヒップホップの誕生日~2枚のレコード、2台のターンテーブルから
【The Day Hip Hop Was Born】
誕生日。
今日(アメリカ日時・2017年8月11日、日本時間12日)のグーグルはすごい。DJクール・ハークが1973年8月11日に初めて2台のターンテーブルを使ってブレイク・ビーツを生み出した記念日だそう。グーグルのスタートボタンから、曲を選んだりして、あなたもDJができる。ピッチも変更可→
https://www.google.co.jp/?gws_rd=ssl
このリンクの有効なのは、アメリカで8月11日だけかもしれませんが、実によく出来ている。
その解説。(ここならずっとリンクが生きているかも)
冒頭の解説だけの映像。(約1分)
https://www.youtube.com/watch?v=sbhq28FnFbA
2台のターンテーブル、右と左のレコードのビート(リズム)、BPMをあわせるという、基本中の基本がここではオートでできてしまう。なんて楽な。(笑) もちろん、それぞれのターンテーブルのピッチをマニュアルであわせることもできるが。
ちなみにこのレコードラックに入っているレコードは、各国ごとに違うそうだ。どうも、日本のラックはほかの国より少ないらしい。
最初にこれを見たとき(日本時間の12日の午前0時台)、字幕が「クール・カーク」になっていたので、グーグルにメールでもしようかと思ったが、次見た時にはもう「クール・ハーク」に直っていた。
この曲間のドラム・ビート(ブレイク)だけのところを、同じレコードを2枚使って、繰り返してプレイし、延々とそのビートが続いていくというアイデアは、ほんとうにすごいアイデアだ。誰もがやっている今でこそ、当たり前に思えるが、最初にその発想を持ったところがイノヹイティヴ。そして、そこに「マスター・オブ・セレモニー(=MC)」が乗りのいい言葉を乗せた。まさに「ブレイク・ビーツ」の誕生の瞬間は、ヒップホップ~ラップ誕生の瞬間といっていいのだろう。
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最初、この2枚のターンテーブルのベースとなる右のターンテーブルにはアイズレイ・ブラザーズの「ビトウィーン・ザ・シーツ」が乗っているが、これは1983年のヒットなので、デフォルトではジェームス・ブラウンあたりを置いておいてほしかったが。(笑) ただ、後では自由に変えられる。
しかし、遊んでみればみるほど、よく出来てるなあ、このアプリは。この「オート・シンク」っていうのはいつからあるんだろう。昔は、ヘッドホンで片方のビートを聴きながら、もう片方のビートを一生懸命合わせたものだが。
1973年に僕が六本木のエンバシーでフリーランスのDJを始めたときターンテーブルは2台あったが、ミキサーはなく、アンプのスイッチでAのターンテーブルとBのターンテーブルを切り替えていた。だから音楽はクロスはしなかった。もちろん、頭だしのモニターもできなかった。それがその年の終わりか翌年始めに「これからは絶対に必要だからミキサーを買いましょう」とエンバシーの店長だった勝本さんに強く言って買ってもらった。当時20万円以上したと思う。店としては大変な出費だった思うが、とにかくそれでミックスできるようになった。しかし、まだターンテーブルにピッチコントローラーはなかった。
そして、ピッチコントローラー付きのターンテーブル、さらに、クロスフェイダーという順で機材が進化していく。
今でこそこのクロスフェイダーが当たり前にあるが、初期の頃は普通に各ターンテーブルごとの音量をミキサーで調整していた。クロスフェイダーはいつから登場したのだろう。これを発明した人も、すごいと思うのだが。1979年にはまだ通常のミキサーだった記憶があるので、1980年代に入ってのどこかで誕生したのだろう。ちょっとこのあたり、調べてみたい。ご存じの方がいらっしゃったらぜひ教えてください。
このグーグルのドゥードゥル(このアプリ、システム)を見て、いろいろと思いだした。
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このあたりの話はこちらに詳しい。
ヒップホップ・ジェネレーション[新装版] 単行本(ソフトカバー) – 2016/9/16
ジェフ・チャン (著), DJクール・ハーク (その他), 押野 素子 (翻訳)
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