◎深町純DVD発売記念イヴェント
【Jun Fukamachi DVD Release Party】
発売記念。
日本が世界に誇るピアニスト、深町純の唯一のDVD映像が2017年12月8日一般発売されるが、それを記念して11月3日、発売トーク、フィルム・コンサート、ライヴ・イヴェントが東京市ヶ谷のルーテル市ヶ谷ホールで行われた。トーク・イヴェントは2016年5月以来約1年半ぶり。
10年前に行われた即興演奏の映像を4曲流してから、トークショーに。途中に関連した人たちのビデオインタヴューを含めて、深町純トークに興じた。特に、長く深町作品のエンジニアリングを担当していた行方洋一さんの昔のレコーディング・エピソード、70年代にニューヨークでのレコーディング・セッションに立ち会った宗像和男さんのエピソードなどおもしろいお話がたくさん出た。
行方さんは、「ダイレクト・トゥ・ディスク」というスタジオでのレコーディングを一発でそのままカッティングして、レコードにするという方式で深町さんの演奏を録音したが、その時のエピソードをひとつ紹介した。
深町さんがスプーンをピアノの弦に直接当ててそれを横に動かし、ジャジャーーンという音を出す手法を試したが、そのうちの一回でスプーンをピアノの弦の下に落としてしまい、以後、不協和音が出続けたことがあった。このテイクは結局ボツになった。
それを苦労して拾い上げ、本番をやり直して、録音したという。もちろん、この楽曲も楽譜はなく、即興演奏だった。
ダイレクト・ディスクという手法なので、毎回マスターテープはなく、ラッカー盤に音源を刻み、それをレコード盤の原盤にして、レコード盤をプレスするが、だいたい3000枚くらいでその原盤がダメになってしまうので、ダイレクト・トゥ・ディスクはひとつの演奏は3000枚くらいしかレコードができず、新たに追加するときは再度レコーディングしなければならなかった。
行方さんは、そのスプーンを落としたときのラッカー盤を深町さんにプレゼントしたという。
また、当時レコーディングは2チャンネルだが、疑似4チャンネルという手法で、レコードを作ったものがあり、それだと二つのスピーカーから音がでるにも関わらず、音がぐるぐる回っているように聴こえるという作品を作り、この日ここでもそれを再現した。
「深町さんは新しいものに食いつくが、それ以上に使いこなすところがすごかった」という評価もおもしろかった。一方、行方さんが作った音に対しては、意外と注文はつけなかったという。
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地水風火。
ライヴ演奏では、深町さんと「ぼくらの自然の冒険」というプロジェクトを一緒にやっている元バービー・ボーイズのKONTA(コンタ)さんらが、深町作品を演奏した。
KONTAさんが、サントリーでのライヴ終了後、深町さんに「最初の4曲は地水風火ですか?」と尋ねたら、ニヤッとして「よくわかったね」と言われたことがとても印象に残っているという話をされた。さらに彼は、「あの時は深町さんは相当気合が入っていました」と述懐している。
この話を聞いて僕は大変驚いた。そう言われると、確かに最初の4曲はそのようなイメージをも持てる。この話を聞いたのが初めてだったので、ライナーノーツの中にはそれが書かれていないが、入手された方は頭の片隅に「地水風火」をいれてお聞きになると、またおもしろいかもしれない。
「地水風火」とはアース、ウォーター、ウインド&ファイアー。アース・ウィンド&ファイアーのグループ名となった「四大元素」だ。アースのグループ名も当初は、「アース・ウィンド・ファイアー&ウォーター」だったが、あまりに長すぎるのでウォーターをカットしたのは有名な話だ。
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この日、10年前のサントリーホールに行かれた方はどれくらいいらっしゃいますか、と尋ねたら、およそ20人くらいの方が挙手された。
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ニューヨーク。
イヴェント終了後、「インタヴュー取りにわざわざニューヨークまで行ったんですね」と言われたのだが、これらのインタヴューは全部東京で、彼らが来日したときに撮った。
スティーヴ・ガッド、ランディー・ブレッカー、ルー・マリーニ、ウィル・リー。みな共通しているのは、「とても複雑で難しいセッションだった。チャレンジだった。素晴らしいセッションだった」ということ。「今ではあんなことはできない」「そこにいるミュージシャンたちが自分のパフォーマンスのレヴェルを引き上げてくれる、それに感謝する」などとの言葉が続いた。
(この項、続く)
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■■ 深町純 新譜作品概要 ■■
今回リリースされる作品は次の通りです。
1)通常一般発売DVD+CD+ブックレット
① [ DVD ]:
タイトル:JUN FUKAMACHI『 RECITAL at SUNTORY HALL 』深町純 リサイタル アット サントリーホール
(2007年10月27日 SUNTORY HALL Blue Roseリサイタル収録 DVD 約70分
② [ CD ]:
深町純 ラストソング『願い』
(深町純:作詞・作曲・唄・Piano(2010年11月収録)
③ブックレット(20p)
※ 本作はDVDとCDの2枚組でバラ売りはありません。
amazon
RECITAL at SUNTORY HALL [DVD]
ビデオメーカー (2017-12-08)
価格 :¥ 4,800・税別 (¥ 5,184・税込)
発売日:2017年12月8日(一般発売)
(11月3日 発売記念イヴェント会場にて先行発売あり)
発売元:JUN FUKAMACHI Project Office
2)スペシャル・メモリアル・セット
スペシャル・メモリアル・セット発売決定
上記の通常版DVDパッケージ(DVD + CD + ブックレット)に、さらに特別アイテムを加えた数量限定品。深町純 公式サイト「FUKAMACHI ism」にて独占で販売いたします。(シンコーミュージック 200セット限定発売)
< スペシャル・メモリアル・セット> (5アイテム)
① DVDパッケージ(DVD+CD2枚組)
『RECITAL at SUNTORY HALL』 & 【特別CD収録 ラストソング「願い」】
②『RECITAL AT SUNTORY HALL』 CD
(ライヴDVDのオーディオのみ収録CD)
③『NICOLE 1986 Spring& Summer Collection』30センチ・アナログレコード、8曲収録(輸入盤)(プレスはドイツの工場)
④『NICOLE 1986 Spring& Summer Collection』CD(※ボーナストラック追加・全10曲収録)
⑤ラストソング 「願い」 楽譜(限定数プリント)
予約受付開始 :2017年8月25日より、FUKAMACHI ism ページ内 申し込みフォーム よりクレジットカード決済でご予約いただけます。クレジットカード決済を希望されない方は、http://shinko-music-shop.com/内 Contactからご連絡ください。ご予約はこちら↓
http://shinko-music-shop.com/?pid=121644233
お問い合わせはこちら↓
https://secure.shop-pro.jp/?mode=inq&shop_id=PA01374908
http://fukamachijun.jp/index.html
価格:\12,960 (税・送料込み)(発送は国内の料金です。海外への発送は別途お問い合わせください)
すでに直販は発送しています。
JUN FUKAMACHI Project Office
■深町純公式サイト
http://fukamachijun.jp/index.html
■公式フェイスブック
https://www.facebook.com/FukamachiIsmshenDingChunSite
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■セットリスト
深町純DVD発売記念イヴェント@市ヶ谷ルーテルホール
2017年11月3日(金・祝)
show started 18:00
M01 DVD Improvisation Blue Rose #2 深町純
M02 DVD Improvisation Blue Rose #5
M03 DVD Improvisation Blue Rose #6
M04 DVD Improvisation Blue Rose #9
M05 DVD Epilogue
M06 CD 願い - 深町純
トークショー
ビデオインタヴュー 加藤登紀子
M00 CD 心模様(イントロだけ) 井上陽水
ビデオインタヴュー 星勝
M07 CD 爛漫 (ダイレクト・トゥ・ディスク『衝撃のピアノソロ』(1976年)より)
M08 CD バンブー・ボング (プロユース・シリーズ『イントロデューシング』(1975年)より)
ビデオインタヴュー スティーヴ・ガッド
ビデオインタヴュー ランディー・ブレッカー&ルー・マリーニ
ビデオインタヴュー ウィル・リー
ビデオインタヴュー 村上ポンタ秀一
ライヴ
M09 アプレザンレーヴ (フォーレ)
M10 願い
show ended 20:33
■出演者
(ライヴ)
Konta (ヴォーカル)
石井康一 (ピアノ)
渡辺剛 (ヴァイオリン)
中内助六 (ベース
よしうらけんじ (パーカッション)
(トークショー)
城山哲 (司会)
宗像和男 (音楽プロデューサー)
行方洋一 (エンジニア)
吉岡正晴 (音楽ジャーナリスト)
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