〇グラミー・モーメント2018
【Grammy Moment 2018】
モーメント。
結局今年は、ブルーノ・マーズのスイープ(圧勝)におわった。ブルーノ・マーズはノミネートされた全6部門でグラミーを獲得。8部門ノミネートながら受賞なしのラッパー、ジェイZと明暗を分けた。同じヒップホップ、ラップのケンドリック・ラマ―は7部門ノミネートで5部門を獲得。最後に発表された「アルバム」までブルーノとラマーは各5部門ずつで、どちらが取るか、取ったほうが最多になるか、あるいは両者とも取れずにタイになるか注目されたが、結局、これもブルーノに行き、主要3部門のすべてを獲得した。
ブルーノのスイープを結果論的に分析すると、これだけ今年がブラック、R&B、ヒップホップが強いと言われながら、ブルーノになったのは、ヒップホップ・ファン支持層の票がジェイZとケンドリックに別れてしまったためではないか。例えば、ブルーノの得票率が35%、ケンドリックが30%、ジェイZが25%だったりするといずれもブルーノが勝者となる。ケンドリックとジェイZ連合が唯一取れるとしたら、主要の「ソング」だったが、これも結局ブルーノに行った。
今年もけっこういろいろグラミー・モーメントがあった。
今年の「グラミー・モーメント」、ソウル・サーチャー的に。
1) ジャネル・モネイの「ジェンダー・フリー」のスピーチからケシャのライヴ・パフォーマンスへの流れ。ハリウッドだけ、ワシントンだけの問題はない。文化を作る力がある。
2) レディーガガの「タイムズ・アップ」のパフォーマンス。白いバラとジェンダー・フリー。#timesup モネイとのつながりもあり。
3) 冒頭、ケンドリック・ラマ―のメドレー・パフォーマンス
4) パティー・ルポーンのアンドリュー・ロイド・ウェバー・トリビュート曲「ドント・クライ・フォー・ジ・アルゼンティーナ」の歌唱。1981年以来37年ぶりの再演。
5) 「ソング」発表後のヒラリー・クリントンらのトンラプ暴露本の朗読部分。いかに音楽業界がトランプを嫌っているかを象徴。
6) ジェームス・コーデンらの地下鉄でのサブウェイ・カラオケで客から文句を言われるコント。これはお笑いネタとして箸休め的におもしろかった。
7) チャック・ベリーとファッツ・ドミノへのトリビュート、ゲイリー・クラーク・ジュニアらによる。しっかり、先達へのリスペクト。
8) ラスヴェガスの銃撃テロなどへの追悼。ここでの「ティアーズ・イン・ヘヴン」は涙を誘う
9) 「ベスト新人賞」を獲得したアリッシア・カーラのスピーチ
10)ブルーノ・マーズ&カーディーBらによる「フィニス」ライヴ・パフォーマンス
11)チャイルディッシュ・ガンビーノのパフォーマンス。『ライオン・キング』の実写版で、ガンビーノが大人、子役がステージに
12)ピンクの「ウィルド・ハーツ・キャント・ビー・ブロークン」のパフォーマンス
13)ジェームス・コーデンの両親が客席にいて、両親との会話のシーン。ミュージカル『ハミルトン』の話をしてから、「サムホエア」、「ドント・クライ~」とミュージカル曲2曲をつなぐ構成
14)シーザのパフォーマンス
15)サム・スミスのゴスペル・クワイアーを従えたパフォーマンス
16)スティングとシャギーによる「イングリッシュ・マン・イン・ニューヨーク」
17)ロジックとアリッシア・カーラのパフォーマンスによる「1-800~」
18)ブルーノ・マーズの「アルバム」を獲得してのスピーチ。15歳のときにやっていたカヴァー曲、それらの曲で知らない者同士が歌い踊り、セレブレートしあっている、そんな曲をずっと作りたかった。
19)自由の女神前からのU2のサンセットをバックにしたライヴ・パフォーマンス
20)物故者トリビュートの最後に自殺したリンキン・パークのチェスター・ベニントンの写真から、ロジックとアリッシア・カーラの自殺志願者の相談電話番号を題材にしたラップ曲「1-800~」のパフォーマンスの流れ。このときのバックに立っていた「ユー・アー・ノット・アローン(君は一人ではない)」と「1-800~」の書かれたTシャツを着ていた人たちは、自殺サヴァイヴァーだそう。
今年は白いバラ、ジェンダー・フリー、各種ハラスメント、自殺防止電話、そしてトランプなどの政治、社会的問題へのメッセージが目立った。
(19と20はWOWOWぷらすとに出ていろいろ話を聞いて、追記しました)
ブルーノ・マーズ、2018グラミーのスイープ
グラミー賞、ポップ部門全リスト
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12348401216.html
ENT>AWARDS>GRAMMY>60th