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Channel: 吉岡正晴のソウル・サーチン
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●エディー・アムー(ザ・リアル・シング)死去

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●エディー・アムー(ザ・リアル・シング)死去

 

【Eddy Amoo Of The Real Thing Dies】

 

訃報。

 

1970年代にイギリスをベースに活躍したブラック・ヴォーカル・グループ、ザ・リアル・シングのメンバー、エディー・アム―が2018年2月23日、旅先のオーストラリアで急死した。73歳か74歳だった。メンバーのクリス・アムーは弟。

 

エディー・アム―は1944年5月5日リヴァプール生まれ。(この場合、73歳。ただし、2018年から1944年を単純に引くと74歳になるので、誕生日前で1歳引くことを失念した可能性がある。あるいは、本当に74歳の場合は、1943年生まれになる。)

 

エディー・アムーは1962年頃からリヴァプールでバンド活動を開始。当時はチャンツと名乗っていた。その頃、同じリヴァプールで活動を開始したビートルズのマネージャー、ブライアン・エプスタインが彼らのことを気に入り、ビートルズのライヴの前座にブッキングした。キャヴァーン・クラブのライヴでは、ビートルズのライヴの合間に4曲ほど、チャンツが歌ったという。ちょうど、マージ―・ビート・ブームが起こり始め、リヴァプールが脚光を浴びてきたので、チャンツもパイ・レコードと契約。1963年の「アイ・ドント・ケア」を皮切りに計4枚のシングルをリリース。その後1969年にRCAで一枚シングルを出したが、ヒットには至らなかった。

 

一方、ほぼ10歳年下の弟クリス・アムー(1952年10月14日リヴァプール生まれ)が1970年頃から自身のグループをスタート。当初はクリス・アムー、レイ・レイク、ケニー・デイヴィス、そしてデイヴ・スミスの4人だったがいずれもハイスクール時代の友人たち同士だった。当初は、ザ・ソフィスティケーテッド・ソウル・ブラザーズと名乗っていたが、マネージャーがコカ・コーラのテレビCMで見たフレーズ「リアル・シング」(本物!)から取って、グループ名をリアル・シングとした。

 

エディーは自身のグループもあったが、この弟のグループにさまざまなアドヴァイスやコーチをしていく。結局、1972年、リアル・シングはテレビ番組「オポチュニティー・ノックス」に出演、チャンスをつかみ、ベル・レコードと契約、「ヴィジャス・サークルズ」は不発になるが、次にEMIへ移籍。「プラスティック・マン」もヒットせずだったが、『トップ・オブ・ザ・ポップス』への出場を果たした。エディーはグループの支柱となり、結局1975年、ケニー・デイヴィスの脱退にともないエディーもグループ入り、活動を続けた。

 

「ロック・オン」のヒットで知られるデイヴィッド・エセックスが一時期彼らに曲を提供したがヒットはせず、1976年、職業作曲家ケン・ゴールドらが書き、プロデュースしたさわやかなソウル曲「ユー・トゥー・ミー・アー・エヴリシング」がついに英米でヒット。イギリスでは1976年7月に1位になった。この曲はその後、フランキー・ヴァリ、ソニアなどがカヴァー。またパブリック・エナミーらがサンプリングした。

 

ソニアのヴァージョンは1991年に出てイギリス、アイルランドなどでヒット。アメリカでは、1976年にアメリカのソウル・ヴォーカル・グループ、リヴレーション、ブロードウェイがカヴァーしてヒットさせた。前者はデイヴ・ブランバーグがアレンジ、フレディー・ぺレンがプロデュース、後者はパトリック・アダムスのアレンジ、トニー・シルヴェスターのプロデュース。

 

この曲はひじょうに普遍的な内容のために、いまだにイギリスでは結婚式でよく流されたり、歌われたりするという。ほかに「チルドレン・オブ・ザ・ゲトー」などのヒットがある。

 

その後、彼らはジェームス・エムトゥーメ&レジ―・ルーカス、あるいは、ニック・マルティネリらとレコーディングをしている。

 

The Real Thing - You To Me Are Everything - Liverpool Philharmonic Hall

Published on 10 Jul 2016

リード・シンガーは、弟のクリス・アム―。

https://www.youtube.com/watch?v=vweuxLEC5dg

 

 

もう少し若い頃のヴァージョン。向かって一番右のリードがクリス、左がエディー、真ん中はデイヴ。1993年の収録。

https://www.youtube.com/watch?v=OuDuHnmdlrc

 

1976年の映像

https://www.youtube.com/watch?v=lATc7nGdLDQ

左はレイ・レイク、センターがクリス、右がデイヴ。一番右のギターを持っている人物はエディー。

 

これは4人写っているもの。相当初期のものかもしれない。左からクリス、エディー、デイヴ。

 

https://www.youtube.com/watch?v=5wAS9dD5_Q8

 

 

The Real Thing - You To Me Are Everything [1976]

https://www.youtube.com/watch?v=WsBbNHGx19A

左からエディー(ギター)、レイ・レイク、デイヴ、クリス・アム―。

 

エピックに移籍し、「キャン・ユー・フィール・ザ・フォース」もヒットした。

 

映画『ブラック・ジョイ』(1977年)にも出演した。

 

現在のメンバー、クリスとデイヴは、ザ・リアル・シングのドキュメンタリー映画を映像作家、サイモン・シェリダンと作っているという。

 

また、リアル・シング自体は、クリスとデイヴで引き続き活動していくという。3月のライヴはキャンセルしたが、近々では4月7日のライヴは行う方向。

 

エディーには妻と4人の子供がいる。

 

https://twitter.com/eddychrisdave

 

リード・シンガーは、クリス・アム―

The Very Best of the Real Thing

Real Thing

Castle Select (1998-03-16)

https://goo.gl/ZxLqm8

 

 

https://www.liverpoolecho.co.uk/news/liverpool-news/liverpool-band-real-thing-star-14330919

 

https://news.sky.com/story/you-to-me-are-everything-tributes-paid-to-the-real-thing-singer-eddy-amoo-11265225

 

 

【Amooの表記について】

 

当初はアモ―と表記していましたが、アムーと本人たちが発音していますので、こんごは、アムーとします。

 

OBITUARY>Amoo, Eddy (1944年5月5日-2018年2月23日

 


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