◎クリスチャン・マクブライド @mcbridesworld ・ライヴ @marcustrickland
【Christian McBride Live At Cotton Club】
人気。
ジャズ・ベース奏者、クリスチャン・マクブライドの丸の内コットンクラブでのライヴ。4日間8ショーがほぼ満席だというからすごい人気だ。180x8で1400人以上の動員か。しかも観客層が老若男女いいバランスになっている。内容はドラムス、ベース、トランペット、サックスの4人によるストレート・ジャズ。
基本長尺で、各人のソロをしっかり聴かせるオーソドックスなセット。セットリストは毎回変わっているという。
今回のグループ、ニュー・ジャーンはここ1-2年一緒にやっているメンバーだそうで、アルバムのレコーディングはほぼすませており、秋口にリリースになるという。
このニュー・ジャーンのエリントン・ジャズ・フェスにおけるライヴ・レポート。
REVIEW: Christian McBride's New Jawn warms the Wellington Jazz Festival
(2018年6月7日、14日、15日)
このレポートの日は、ほとんどオリジナルだったらしいが、コットンでも木曜、金曜あたりはおそらく秋の新作に入る楽曲だったのか、新しい曲だったらしい。
ただこの土曜日のファースト(6月16日、17時回)では、他のアーティストの作品が多かったが、上記ウェリントンでも行われたマルコムXにトリビュートする「ブラザー・マルコム」がここでも演奏された。
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『ザ・ムーヴメント・リヴィジテッド』。
この曲だけは、クリスチャンのオリジナル作品なのだが、これはもともと2015年に行われた『ザ・ムーヴメント・リヴィジテッド』というイヴェントのために作られた楽曲。このイヴェントは、『ジャズ・ナイト・イン・アメリカ』というテレビ番組用に行われているイヴェントで、ホストがクリスチャン。
元々1998年に「ブラック・ヒストリー・マンス」のイヴェントのひとつとして作られたショーだったが、10年後、18人のビッグバンド、ナレーター、ゴスペル・クワイアーなどを率いた大イヴェントに成長した。番組では演奏とともにナレーターが、詩を朗読したり、インタヴューが挟み込まれたりする。
フィラデルフィアのマリアン・シアターで2015年11月21日に行われた回では、公民権運動の活動でよく知られる人物4人をピックアップしてフォーカス、その4人に沿った楽曲を作り、間に詩の朗読、JDスティールのゴスペル・クワイアーなどをはさんだ。その4人はローザ・パークス、モハメド・アリ、マルコムX、ドクター・マーティン・ルーサー・キング、いずれもブラックの歴史上の重要人物。ビデオでは約40分の作品になっている。
クリスチャンは、この4人にそれぞれ楽曲を作った。そのうちの1曲がマルコムXをテーマにした「ブラザー・マルコム」だ。ここでは曲に合わせて朗読が披露されたが、コットンでは演奏のみ。
その全編の動画がこれ・約40分→
Christian McBride - Brother Malcolm [From The Movement Revisited]
https://www.youtube.com/watch?time_continue=139&v=TCSETTeD0us
(15:22からBrother Malcolm)
予算もしっかりかけられた大規模なイヴェントで、このあたりに文化への理解度が表れている。
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「夕方5時からのライヴは不思議だな、いつもだったら起きる時間なのにね」とMCで言っていたクリスチャン。各曲を簡単に紹介してショーを進めた。
50代、60代だけでなく、30代、40代の人たちがけっこういたので、ストレートなジャズが若い世代に浸透しているようにも見受けられた。
テナー・サックスのマーカス・ストリックランドは「2009年頃に初めて来日した」と言っていた。
この日演奏された曲のオリジナルの音源をユーチューブで探してみた。
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ミスター・ブラウン。
クリスチャン・マクブライドには先日、ジェームス・ブラウンについてのインタヴューをした。当初は50分の予定だったが、なんとお互いの話が弾み3時間超となったもので、クリスチャンが初めてミスター・ブラウンの音楽に触れてから、実際に彼に会い、徐々にミスター・ブラウンの信頼を得て、ついには2006年9月ハリウッド・ボールでクリスチャンのアイデアであったミスター・ブラウンのアルバム『ソウル・オン・トップ』をビッグバンドのバックで歌ってもらうという夢の実現に向けて東奔西走するのだが…。という話。途中の紆余曲折、エンディングが本当にドラマだった。拙著『ソウル・サーチン』で書いたストーリー以来、久しぶりに音楽大河ドラマを聞かされた。たぶん、全部文字起こしすると少なくとも3万字くらいにはなると思われるので、ゆっくりまとめます。ジェームス・ブラウン・ファンの方はご期待ください。
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クリスチャン・マクブライド近作
Bringin' It
Christian -Big B Mcbride
Mack Avenue (2017-09-22)
クリスチャン・マクブライド
Live at the Village Vanguard
Christian -Trio- Mcbride
Mack Avenue (2015-09-18)
Out Here [輸入盤]
Christian McBride Trio
Mack Avenue (2013-08-04)
Conversations With Christian
Christian Mcbride
Mack Avenue (2011-11-08)
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■この日のセットリストのオリジナル音源(ユーチューブ)
① Josh Evans – Pier 1 Import
https://www.youtube.com/watch?v=9wqsDtmvLDE
② Weather Report - Sightseeing
https://www.youtube.com/watch?v=yrEv2t0swKs
③ Christian McBride - Brother Malcolm [From The Movement Revisited]
https://www.youtube.com/watch?time_continue=139&v=TCSETTeD0us
(15:22からBrother Malcolm)
④ Ornette Coleman - The Good Life
https://www.youtube.com/watch?v=zkvS2cOwu-k
https://www.youtube.com/watch?v=CfOS0bQWUYE
⑤ Thelonious Monk - Raise Four
https://www.youtube.com/watch?v=gK-xh6bqR7A
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Christian McBride’s New Jawn
June 16, 2018, First Set @ Cotton Club
■Setlist : Christian McBride’s New Jawn
Live at Cotton Club, Marunouchi,
June 16, 2018
[ ] denotes original artist, and/or composer
Show started 17:07
01. Pier 1 Import [Josh Evans]
02. Sightseeing [Wayne Shorter composition, Weather Report]
03. Brother Malcolm [Christian McBride] (From The Movement Revisited)
04. The Good Life [Ornette Coleman]
Enc. Raise Four [Thelonious Monk]
Show ended 18:12
■Members
Christian McBride (Bass)
Josh Evans (Trumpet)
Marcus Strickland (Tenor Sax)
Nasheet Waits (Drums)
(2018年6月16日・土曜、丸の内コットンクラブ、クリスチャン・マクブライド&ジャーン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>McBride, Christian
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