〇 マイケルの「アース・ソング」を撮影した写真家ニック・ブランド~アフリカに目覚めて
【Nick Brandt : His Soul Searchin In Africa】
アフリカ。
一昨日(2019年9月24日付け)のブログ・エントリーで少し紹介した「アース・ソング」のビデオを制作した写真家、ニック・ブランドについてご紹介する。
ニック・ブランドは、1964年イギリス生まれ。セイント・マーティン・アート・スクールで絵画、さらに映画を学んだ。1992年にカリフォルニアに移り、ミュージック・ビデオを制作するようになる。マイケル・ジャクソンの「アース・ソング」、「ストレンジャー・イン・モスコー」、モビーの「ポーセレイン」、ジュエルの「ハンズ」、XTCの「ディア・ゴッド」などを手掛けている。
1995年、マイケルの「アース・ソング」のビデオを撮影するために、西アフリカのタンザニアに出向いたときに、その地と、そこに住む動物に魅せられた。その後、ビデオで動物や自然をビデオで撮影しようとするが、なかなかうまくできずに、意を決し、2001年、ビデオからスチールの写真に転向し、スチール写真でアフリカの動物と人間を描くことにした。
そして、2001年から作品群を撮影、制作開始。
そもそも象が大量に殺されていることを知ったことから、アフリカにさらに興味を持ち、そうした動物の記録を残す意味でも撮影をするようになった。
何週間もシャッター・チャンスを待たなければならないこともあり、膨大な時間と手間がかかっている。
何度もアフリカに出向き、徐々に動物たちとも信頼関係が形作られ、ニックのことを知った動物は、彼のためにポーズを取るようになったという。こうして、普通ではとても撮影できないほどの近さで彼らの撮影に成功。そうした写真を、写真集としてまとめた。
こうして、『オン・ディス・アース』(2005年)、『ア・シャドー・フォールズ』(2009年)、『アクロース・ザ・ラヴェイジド・ランド』(2013年)、『インヘリット・ザ・ダスト』(2016年)、『ディス・エンプティー・ワールド』(2019年)といった作品を発表、展示会、写真集として出してきた。
最新作『ディス・エンプティ―・ワールド』のウェッブサイト
https://www.thisemptyworld.com/
これらの制作過程でアフリカで起きているさまざまな問題を認識するようになり、「ビッグ・ライフ基金」を設立。これはアフリカの動物と生態系を守ることを目的とする。
特に象やその他の動物が金のために捕獲・殺されている案件などは、この基金後、劇的に捕獲数が減ったという。
ニックの次のプロジェクトは、気候変動問題への取り組みだという。
写真が持つ「力」をまざまざと見せつける作品群だ。
(写真3点は、いずれも『ディス・エンプティー・ワールド』から)
ニックのインタヴュー(約57分)
F Talk with Nick Brandt at Fotografiska
https://www.youtube.com/watch?v=oDJW2Knw818
An Interview with Nick Brandt
FEATURES, INTERVIEW
2019/3/12
https://museemagazine.com/features/2019/3/12/an-interview-with-spotlight-artist-nick-brandt
An Interview With Activist Photographer Nick Brandt
APRIL 22, 2019 BY CYNTHIA BIRET LEAVE A COMMENT
By Cynthia Biret
https://www.riotmaterial.com/nick-brandt-this-empty-world/
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写真集は、アマゾンで入手できる。
On This Earth: Photographs from East Africa
posted with amazlet at 19.09.23
Nick Brandt
Chronicle Books (2005-09-29)
A Shadow Falls
Harry N. Abrams (2009-09-01)
(上記2冊をあわせたもの)
Nick Brandt: On This Earth, a Shadow Falls
Vicki Goldberg Peter Singer Jane Goodall
Big Life Editions
Across the Ravaged Land
Nick Brandt
Harry N. Abrams (2013-09-24)
Inherit the Dust
Edwynn Houk Gallery
Nick Brandt: This Empty World
Nick Brandt
Thames & Hudson (2019-02-05)
ENT>PHOTOGRAPHY>Brandt, Nick
MICHAEL JACKSON>Brandt, Nick
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