〇「邦題で行こう!」~「カーマは気まぐれ」邦題誕生秘話
【Let’s All Houdai】
邦題。
英語もしくはその他の言語のタイトルを日本に紹介するときに、原語のカタカナ表記だけではなかなかその意味が伝わらないことが多い。そこで登場するのが、邦題という日本語にしたタイトル。たぶん、戦後からこの邦題は長く日本に根付いていると思われるが、そんな邦題にもとてもおもしろいもの、名訳、珍訳などいろいろある。そんな邦題でおもしろいものをピックアップしてご紹介しようというのが「邦題で行こう!」だ。
今回のラジオ番組『モーティヴ』では、膨大な数ある邦題から気分でベスト10を選んだ。(昨日付ブログ参照) ちょっと裏話を。
実は、事前に番組MCの安東さんがカルチャー・クラブの「カーマは気まぐれ」の邦題について、どういう経緯であのような邦題がついたのか聞きたいので、番組で尋ねていいか、という話があったので、この邦題をつけた担当者を探した。
僕はカルチャー・クラブは当時は東芝EMIから出ていたので、たぶんKさんが担当だったとおぼろげに覚えていたので、Kさんの連絡先を元東芝EMIのUさんに尋ねた。すぐに連絡が取れたのだが、なんとこの「カーマは気まぐれ」が出たときは、東芝ではなく、まだビクター音産がリリースしていた時代だったという。たぶんビクターの担当者が付けたのだろう、と言われた。こののちのデュラン・デュランなどは東芝だったが、カルチャー・クラブはちょうど移行する時期でビクターだったという。
そこで、ビクターのディレクターU氏にこのカルチャー・クラブの担当者は誰だったか尋ねたところ、すでにビクターを辞められた佐藤実さんだという。僕も面識はあるが、彼も佐藤さんの現在の連絡先を持っていないので、何人かにあたってみるという。しばらくして、どうやら当時のビクターのT氏が、ビクターのH氏に佐藤さんの連絡先を聞き、結局僕に教えてくれた。
佐藤さんのところには前日の午後H氏からT氏に電話番号を聞かれたので教えておいた、と連絡があったという。
そして昨日(木曜)の夜8時頃、その電話にかけた。佐藤さんは、当然知らない番号だったので、最初T氏からの電話かと思ったという。ちょうど仲間で麻雀をしてその後みんなで飲んでいる最中だったそうだ。
「吉岡です」と名乗ると、すぐに思い出してくれて、事情を説明し、どのような経緯でこの邦題がついたかを教えてくれた。
その内容は放送で話したが、「カメレオン」は七変化し、最初言ったことと、次に言うことが違ったりする変幻自在な存在だ、だからそれに「気まぐれ」という言葉をあてた。それほど深く考えてつけたわけではなかったという。ただこの邦題が決まったあと、広告を展開するときに広告のキャッチコピーに「見てごらん七変化」とついたという。
佐藤さんとしては「カーマは気まぐれ」はそれほどよくできた邦題ではないと思うというので、自信作はと尋ねると、ヒューマン・リーグの「ドンチュー・ウォント・ミー」につけたものが気に入っているという。それが「愛の残り火」だ。歌詞の内容は未練たっぷりな曲なので、ふと思いついてこのタイトルを付けたという。これなんか、確かに名邦題になりそうだ。
カーマは気まぐれ
Culture Club - Karma Chameleon (Official Video)
https://www.youtube.com/watch?v=JmcA9LIIXWw
カラー・バイ・ナンバーズ
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カルチャー・クラブ
ユニバーサル ミュージック (2015-04-08)
愛の残り火
The Human League - Don't You Want Me
https://www.youtube.com/watch?v=uPudE8nDog0
ラヴ・アクション+8(紙ジャケット仕様)
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ヒューマン・リーグ
ユニバーサル ミュージック (2017-11-22)
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