◎○「ソウル・サーチン・トーク・イヴェント」@ストーン、詳細~1983年夏から「ソウル・サーチン」までの道のり
【Soul Searchin Talk Event @ Stone, Setlist】
「ソウル中毒者一代記」。
先日(2014年2月9日日曜)前日の大雪は嘘のように収まり、しかし、雪はまだたくさん残っている中、吉岡正晴ソロトーク&DJショーが、新宿のソウル・バー、ストーンで行われました。満員立ち見のお客様ご来場ありがとうございます。この日かけた曲、話した内容のほんの一部を僕が用意したメモからご紹介します。ここに漏れた雑談などは、下記ジュコンさんのブログ、カフェミクさんの実況ツイートなどもご参照ください。
Setlist
Soul Searchin Talk & DJ event @ Stone, Shinjuku, Tokyo
2014-02-09 : 17:00-
Opening Theme :What’s Going On – David T. Walker
1983年7月末、ニューヨークとロスに取材旅行を敢行しました。そこで出会ったミュージシャン、音楽関係者とはとてもいい関係を築くことができ、それが今日の音楽評論家としての僕を形作るのに大いに役立っています。その1983年夏のニューヨークとロスの話をします。
最大の出会いはカシーフでした。カシーフからハッシュ・プロダクションの面々を紹介され、ハッシュのケヴィンとは今でもつながりがあります。新宿「ストーン」でやるイヴェントですので、一曲目はこちら。(笑)
01. Stone Love - Kashif (1983/6=全米でのヒット時期)
1983年7月21日セントラル・パークでのダイアナ・ロス、フリー・ライヴ。これを見に行くのがひとつの目的でした。しかし、当日は大雨に。
02. Pieces Of Ice - Diana Ross (1983/7)
このとき以降、毎回アメリカにいくときはいつもラジカセを持って、ひたすらFM局を録音。行ったときはある特定曲が一時間に一回くらいかかるので、耳たこで覚えます。
そんな中、ニューヨークの友人の車でマンハッタンを雨の中走っていたときに、この曲が流れ、なぜかこの曲を聴くと、いつも雨のマンハッタン、車内、というイメージが思い浮かびます。
03. Tonight I Celebrate My Love – Peabo Bryson & Roberta Flack (1983/7)
LAに移ってきて、インタヴューしたのがジョージ・デューク、セルジオ・メンデス、アトランティック・スター、そして、ジャネット・ジャクソン、ジャッキー・ジャクソン
04. Shine On– George Duke
05. Young Love –Janet Jackson
ロスでも強烈な出来事がありました。マイケル・ジャクソン邸訪問です。
そして、マーヴィン・ゲイ、ドナ・サマーのライヴを見ました。マーヴィンのライヴはなんと彼の最後のツアーでした。
1年後の1984年7月、ジャクソンズのヴィクトリー・ツアーを見た後、ニューヨークに行き、カシーフと再会。彼がコネチカットに新しい家を購入したので遊びに来いと言われ、グランド・セントラルから電車に乗って、コネチカットのスタンフォードという街を訪ねました。家は前のオウナー未亡人から買ったばかりで、地下にはスタジオが工事中、リヴィングには前のオウナーの物がたくさん残っていました。バットやボールなどです。その家は、故ジャッキー・ロビンソンの家でした。
そこで、話は横道にそれて、最近のジャッキー・ロビンソンを描いた映画『42』の紹介、そこから『大統領の執事の涙』、『それでも夜は明ける』、『ソウルガールズ』などの、人種差別をテーマにした映画をご紹介。
話を戻して。
カシーフが今プロデュースしている新しいシンガーの曲といって聞かせてくれたのが、この曲でした。
06. You Give Good To Me -- Whitney Houston –
翌日、カシーフ邸で行われたバーベキュー・パーティーには、どうやらフィリップ・ウーもいたらしいのですが、そこで20歳そこそこの可愛らしいシンガー、ホイットニー・ヒューストンが来ていました。彼女は僕が日本から来たというと、「日本に行ったことがある」と言いました。お母さんのシシーについて、ヤマハ音楽祭に来ていたのです。
カシーフは当時、ハッシュ・プロダクションに所属していました。ハッシュは、メルバ・ムーアの旦那さん、チャールズ・ハギンズがメルバをマネージするために作った会社で、この頃までにけっこう若手のシンガーなどのめんどうもみるようになっていました。
そこのディレクター、ケヴィン・ヘーワードとはけっこう仲良くなり、ハッシュ関連のアーティストには、ニューヨークにいくたびに会ったりライヴを見たり、インタヴューをするようになりました。
1987年9月、 マイケル・ジャクソン来日。そのときのビデオ「BAD」を。この冒頭の置手紙を読むナレーションの声はロバータ・フラック。
「ソウル・サーチン・レイディオ」では、アーティストたちから「Hi, this is … you’re listening to Tokyo’s number one soul program…」といういわゆるラジオIDをもらっていますが、先日ロバータが来日したときにそのIDをなんとかもらうことができました。すると、ロバータはものすごく凝り性で何度もやり直します。そんなラジオIDに関する「メイキング」の音をお聞かせしました。
07. Bad DVD Michael Jackson (Video)
08 Roberta Flack: Radio drop
09 Philip Bailey : Radio drop
10 Persuasions: Jingle
パースエーションズには、「ソウル・サーチン・レイディオ」とちょっとメロディーをつけたジングルを頼んでしまいました。その4分ほどでぱっと作ってしまう様子をご紹介しました。
さて、話を戻して。
1988年3月、ハッシュ・オフィースでケヴィンにジョン・ホワイトヘッドという男を紹介されます。マクファーデン&ホワイトヘッドの片割れ、ジョン・ホワイトヘッドです。
その彼にインタヴューすると、話がとても上手で、自分の歴史を身振り手ぶりじつにおもしろおかしく話してくれました。自分は貧乏な中に生まれ、ソングライターとして成功しても無知だったから、税金を払わなかった。そこで脱税で刑務所入り。その刑務所で、ジョンは「ソウル・サーチン」をしたというのです。初めて「ソウル・サーチン」という言葉を知りました。以後、マイケル・マッサー、ハーヴィー・フークワなどに話を聞いたときに、また「ソウル・サーチン」という言葉がでてきて、これは大事なキーワードになると思い、そうした「ソウル・サーチン・ストーリー」をこまめに集めるようになりました。そして、それから12年。「ソウル・サーチン」は一冊の本になりました。
そのときジョンは、初の、そして、唯一のソロ・アルバムを出していました。それが、『アイ・ニード・マネー・バッド』というものです。
11. I Need Money Bad -John Whitehead
ところで、昨年(2013年)、大阪のFMココロで僕の洋楽履歴というテーマで2時間の番組の選曲・DJをする話があり、僕の音楽遍歴を話しました。この同録を中学校時代の同級生の西村君に送ると、彼から驚くべき返事が返ってきました。
「番組を聴いていて、高校時代、昼休みに吉岡さんが毎日しゃべっていた情景を思い出しました。そういえばあの番組のオープニング曲は、エレクトリック・フラッグの『ソウル・サーチン』でしたね!」
このメールをもらったとき、真夜中だったが、飛び上がるほど驚きました。高校時代放送部で、DJの真似事をしていて、そのテーマ曲がエレクトリック・フラッグの「ソウル・サーチン」という曲だったという。すぐにユーチューブで聞くと、確かに聞き覚えがあり、速攻、アマゾンでCDを買いました。
12. Soul Searchin’ - Electric Flag (1968)
ということで、僕は1988年3月、ジョンから教わったと思っていて、今、それをキーワードにブログやラジオ番組をやっている「ソウル・サーチン」という言葉に、実は高校の頃から接点があったというわけです。
といったあたりで、時間も大幅に超過していたので、エンディングテーマでお開きに。進行表、選曲表には20曲以上あったんですが、やはり、話が冗長でいくつかボツになりました。それらはまたの機会ということで。(笑)
End Theme : Street Life - David T.Walker
ところで、このメモを見た松尾潔さんから、「ソウル中毒者一代記」みたいで最高ですね、というお褒めをいただき、このタイトルを使わせていただくことにしました。感謝です。
そして、企画していただいた矢島さん、ストーンの神山さん、お手伝いいただいた五十嵐さん、DJをしていただいた中村 (DJ A.G.O.)さん、守島さん、さっちゃん、ご来場いただいたみなさま、ありがとうございました。大阪、茨城、山梨、静岡など遠方からもお運びいただき、まことにありがとうございます。
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このトーク・ショーに参加されたジュコンさんが、ブログに書いてくれました。
SOUL SEARCHIN'
2014-02-11
http://blog.goo.ne.jp/jucon/d/20140211
↑これは、トーク・ショーについてのブログですが、彼は山梨の山奥に住んでいて、ここに来るまでが一大事でした。それが順を追って書かれています。かなりおもしろい。いや、笑えないが。
雪のすごさ。
http://blog.goo.ne.jp/jucon/e/3b403d1489310426ed5f052cdfb6d0f9
新宿に行きます!
http://blog.goo.ne.jp/jucon/e/5f22e53321a9ad6238b584e067784f40
http://blog.goo.ne.jp/jucon/e/4182894de77b8934d975ab7c37a108c4
途中で車から、電車に
http://blog.goo.ne.jp/jucon/e/608c388fb6bb7bf11bfcdccd5a8fa3c6
新宿に到着
http://blog.goo.ne.jp/jucon/e/e2fbfeef375dfc5da275ee6129655249
そして、冒頭のブログへ。10時くらいに出て、6時間くらいかかったそうです。
こんなに大変だったとは。雪の中、本当にお運びいただき、みなさんありがとうございました。
感謝感謝です。
さらに、カフェミクさんが当日実況ツイートをしてくださいました。
タイムラインを追ってみてください。
https://twitter.com/cafemiku0358
みなさん、ありがとうございます。
EVENT>SOUL SEARCHIN>Summer of 1983 to Soul Searchin
紹介した音源関連作品は次の通り。
Kashif first
FTG RECORDS (2012-06-20)
売り上げランキング: 40,080
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DVD
売り上げランキング: 74,920
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EMIミュージック・ジャパン (2005-02-23)
売り上げランキング: 188,386
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Soulmusic Records (2013-06-18)
売り上げランキング: 259,546
~~~~~
SMJ (2014-02-12)
売り上げランキング: 21,934
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A&M (1991-08-06)
売り上げランキング: 390,943
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Arista (1991-10-14)
売り上げランキング: 27,097
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売り上げランキング: 5,403
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Sony (1995-06-08)
売り上げランキング: 100,563
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あまりまだ普及していない電子書籍版「ソウル・サーチン」。ぜひ、最初の第一歩を(笑)
売り上げランキング: 34,107
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売り上げランキング: 13,684
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