■「モーニング・ブルーズ」最終回に乱入~不夜城深夜治外法権区
【Morning Blues Final】
最終回。
インターFMの抜群にリスナーに愛されていた超良質の音楽番組「オーサム・ビーツ」(午前0時~3時)と「モーニング・ブルーズ」(午前3時~5時)が2014年3月29日の放送で最終回を迎えた。
僕は自宅で留守録をセットしてそれが無事動きだすのを確認してから寝ようかと思ったのだが、さすがに最終回。寝ずに聞いていた。ツイートなども追っていると、この番組は本当にリスナーに愛されているなあと思った。
なんか送る曲でもリクエストしようかなと思って、ちょうど思いついたのが、グラディス・ナイト&ザ・ピップスの「ソー・サッド・ソング」。超別れの曲で、まあ、どんぴしゃかな、と思っていたら、なんと、グラディスの「ザ・ベスト・シング・ザット・エヴァー・ハプン・トゥ・ミー(邦題、めぐり逢い)」がかかった。CDもってってもいいかな、くらいには思っていたが、着替えてでるのはめんどくさいなあとも感じていた。
しかし、その後、鷲巣ブラザーが先日一緒に見た映画の試写で「吉岡正晴が途中で寝てた」とオンエアで言ったものだから、これは聞き捨てならぬと思い、乱入を決意。(笑)
乱入。
着替えて深夜の局に向かった。うちからはドア・トゥ・ドアで10分程度。スタジオのガラスドアを開き「ワシズっ!」と叫ぶと、「おおっ」と驚いた表情。スタジオ内はずいぶんと照明も明るく、少し暑い感じさえした。それに、リスナーからのプレゼントというのがたくさんあって、スタジオ内は足の踏み場もないほど。生放送独特の喧騒とばたばた感、そして最終回へのリスナーの熱き思いがスタジオの空気をさらに高めていたのかもしれない。
選曲も最終回とあってか入魂で、タモリあり、ランキン・タクシーありで、この「モーニング・ブルーズ」の生スタジオはまさに不夜城、深夜治外法権区の様相を呈していた。
「すごいねえ、このプレゼント」というと「最終回だからだよ。おまえんとこも終われば、来るよ」(笑)とブラザー。
そして4時42分頃、誘われるがままにマイクに。「しかし、この番組終わっちゃいけないよね。こんなに良質ないい音楽番組、東京にほかにないでしょう」と僕がやや持ち上げると、相手を澤田さんに任せCDをセットしていた鷲巣ブラザーがオフマイク気味で「いや、ひとつある。『ソウル・サーチン・レイディオ』ってのが」となんと予想外の持ち上げ返し!(笑)
その後まもなく、5時から担当のタケ小山さんが乱入。しばし3者入り乱れとなった。「3人同時にしゃべるな」っていうツイートもあったっけ。そんな中、タケさんからの「ブルーズの定義ってなんですか」という直球の質問に、鷲巣氏うまいこと返球。そして、この番組のリスナー「きっこのブログ」でおなじみのきっこさんの話題になった。タケさんがあの人はチャリにのってて、競馬もやる、という話や、競馬の馬券の買い方が地味なこと、なぞの人物であること、放射能をさけて関西に行っていることなどまででてきた。オンエアではでなかったが、きっこさんはテレビを持たず、放射能を避け、おかあさんと関西方面へ疎開、趣味は全国のラジオ番組の中から好きなものを聞くことのようだ。この『モーニング・ブルーズ』は以前からのお気に入りだった。
ネット界では有名なきっこのブログ。僕もけっこう読んでいます
http://kikko.cocolog-nifty.com/
(ただし、横においてあるオセロにはまらないように。けっこうはまります)
それにしても、この日はツイートやメールがものすごく多かったようだ。ツイートは、次々と #blues761 がつけられアップされていて追うのもたいへんなほど。
鷲巣DJは、「(番組に)反応することがとても大事だということがわかった」というリスナーからのメッセージを紹介して、「地元のDJに手紙を書いてください」と言い、チャック・ベリーの「ロール・オーヴァー・ベートヴェン」をかけた。この歌詞冒頭はこうだ。
I'm gonna write a little letter,
Gonna mail it to my local DJ.
Yeah an' it's a jumpin' little record
I want my jockey to play.
(地元のDJにのりのいい曲をかけてもらいたいので、リクエストの手紙を書いて送るんだ)
という言葉から始まる曲。リクエストをだしたり、メッセージを送ることが番組存続の基本的な要素になることを表していた。
そんなこんなでツイッターでは10万人以上のフォロワーを持つきっこさんがツイート。
きっこ @kikko_no_blog 4:57 - 2014年3月29日
まさか最終回の最後の最後に、鷲巣さんと吉岡さんと小山さんがあたしのことを話題にするとは! あたしの馬券の買い方まで知られてるし!アッチョンプリケー! #blues761
で、僕はここで「アッチョンプリケー!」という言葉を初めて知りました。いつも勉強になるきっこさんのツイート&ブログです。
唯一無比。
2013年4月から始まり、9月いっぱいは月曜~金曜朝3時~5時で、10月からは毎週金曜深夜の3時~5時に放送された『モーニング・ブルーズ』。本当に惜しまれつつ終焉を迎えたこの番組を聴いていて、改めてラジオ番組とリスナーのつながりということを考えさせられた。
0時~3時の澤田修さんのヘヴィー・メタル、ロックとともに、このふたつの番組は実にいい形でマニアックなリスナーを生み出した。こんな番組はなかなか他にない。特に深夜の生放送というところがラジオ特有の「1対1」感を圧倒的なものにしていた。こういうのを見るとやはりラジオは生、ラジオは「1対1」のメディアであることを痛感する。
岩手県横手市で大変苦労しながらインターFMを聞いているハセさんのツイート。
ハセ @Hase94Hiroshi 14:24 - 2014年3月29日 横手市から
@soulsearcher216 思えばラジオにこんなに熱くなれたのは中学、高校以来の30年ぶり。これこそ正にファンタジーだと。こんな素敵なファンタジーを起こしてくれた吉岡さん、鷲巣さん、スタッフの方々にまず感謝しなければならないなと
今という時代は本当に情報や音源があふれすぎるくらいあふれている。そこから何を聞けばいいのか、何を買うべきかがまったくわからない。そんな混沌とした状況で、たとえば、この「オーサム・ビーツ」「モーニング・ブルーズ」、そして、末席ながら「ソウル・サーチン・レイディオ」もたくさんある中からほんの一部の指針を提供している。
「オーサム・ビーツ」「モーニング・ブルーズ」は、特に音楽好きの人たちの間でまちがいなくひとつの伝説を作った。ほかにまったくないタイプのラジオ番組という意味で唯一無比の番組だった。早急な復活を希望したい。
(ラジオとリスナーについてなど、また後日別項で)
おとうふ、焼き菓子、日本酒など、本当にたくさんの差し入れ、ありがとうございます、と澤田、鷲巣、申しております
Gladys Knight & The Pips: Come Back And Finish What You Started
https://www.youtube.com/watch?v=7SaLIp4Zvy4
曲の出来としては普通だが、メッセージがまさに番組を送るのにどんぴしゃ。「始めたことはちゃんと、最後までやりとげてよ」というメッセージ。
番組でかけた最後の曲。完全反原発ソング「誰にも見えない,臭いもない」収録。ランキン・タクシー、これは1998年の作品。番組ではすでに2-3回かけていたという。
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タモリのバラエティー・ショー::“武蔵と小次郎” part4~アフリカ民族音楽“ソバヤ”収録
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サム・クック 「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」収録
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