●パーシー・スレッジ74歳で死去～「男が女を愛するとき」

●パーシー・スレッジ74歳で死去～「男が女を愛するとき」

【Percy Sledge Dies At 74】

訃報。

日本でも「男が女を愛するとき」の大ヒットで知られるアラバマ州出身のR&Bシンガー、パーシー・スレッジが2015年4月14日、ルイジアナ州バートン・ルージュの自宅で死去した。74歳。当初の報道では73歳とされていたが、正しくは74歳だったことが判明した。しばらく肝臓癌のため療養中だった。ただ死去自体は自然死だという。2014年9月には地元の有志たちが、スレッジの治療費をねん出するために、ベネフィット・コンサートを行った。

マイケル・ボルトンのコメント。

An inspiration as an artist & one of the most gracious human beings. We sang together. Forever grateful! Love MB,

評伝。

パーシー・スレッジは1940年11月25日（長く1941年生まれとされていたが、今回訂正された）アラバマ州リートン生まれ。地元でずっと農業に従事していたが、アラバマ州シェフィールドのコルバート群病院で雑用の仕事をするようになった。ここで、患者を慰めるために歌を歌っていたがこれがちょっとした評判となり、地元の音楽プロデューサー、クイン・アイヴィーに認められ、歌手として出発することになる。

こうしてアラバマ州マスル・ショールズのスタジオで録音されたのが、「男が女を愛するときWhen A Man Loves A Woman」だった。当初ローカルのインディとして出るはずだったが、これを聴いたアトランティック・レコードの敏腕A&Rマン、プロデューサーのジェリー・ウェクスラーがヒットを確信し、アトランティックが買い取り、1966年3月全米リリース。見事にソウル・チャート、ポップ・チャートで1位になり、パーシー・スレッジはいきなり人気R&Bシンガーとなった。

この曲はスレッジが1965年の暮れに日雇いの仕事を失い、ガールフレンドがモデルの仕事を目指すために彼と別れたことにヒントを得て書いた。別の男に行ってしまい別れたという説もある。いずれにせよ、その失恋を元にベース奏者のカルヴィン・ルイスとオルガン奏者のアンドリュー・ライトと曲を仕上げたが、スレッジは彼ら二人に曲のクレジットを気前よくあげてしまった。したがって、作詞作曲者クレジットにパーシーの名前がない。

https://youtu.be/7lp7FtJXp7k

これはイギリスでは1966年と1987年と2度にわたって大ヒット。後者はリーヴァイスのジーンズのCMに使われヒットした。また、ブルーアイド・ソウル・シンガー、マイケル・ボルトンもカヴァーし1991年に大ヒットさせ全米1位にしている。

パーシー・スレッジとマイケル・ボルトン共演「男が女を愛するとき」

https://youtu.be/0sgTkpTWFAw

スレッジはその後もカントリー・フレイヴァーのあるソウル・バラードをいくつかだし、ヒットを生んだ。たとえば、「ウォーム・アンド・テンダー・ラヴ」「イット・ティアーズ・ミー・アップ」「テイク・タイム・トゥ・ノウ・ハー」などがよく知られる。

https://youtu.be/vFxnUMdQsPw

1989年リズム・アンド・ブルーズ・ファンデーション・パイオニア・アワード受賞。2005年、ロックンロール殿堂入り。そのときの受賞スピーチ。

https://www.youtube.com/watch?v=fGp969rJZ_A

（このスピーチが泣かせる。本当に純粋素朴な人間性がでている）

2014年のドキュメンタリー映画『マッスル・ショールズ』でも「男が女を愛するとき」のレコーディング・セッション、リック・ホールのことなどを語っている。

日本では、ディスコのチークタイムの定番としてこの「男が女を愛するとき」がよく流れ、ヒットした。

有名になっても飾らず、南部人らしい地に足のついた性格だったという。

http://www.timesdaily.com/news/local/muscle-shoals-music-icon-percy-sledge-dies/article_b245a249-176b-57e6-b4a2-5fc97c142f00.html

http://blogs.wsj.com/speakeasy/2015/04/14/rb-pioneer-percy-sledge-dies-at-73/

OBITUARY>Sledge, Percy (November 25,1940 – April 14, 2015, 74 year old)