◎アビア~オペラティック・ソウルの香り
【Abiah : Scent Of Operatic Soul】
香り。
2013年初来日して話題を集めたニューヨークをベースに活躍するシンガー・ソングライター、アビアの二度目の来日公演。プロモーションも兼ねて、カフェなどでのショーケースも行いつつ、フルショーのライヴはこの日一日だけということで、ほぼ満員になっていた。
前回来日で感じたことと同じことをまた感じる。本当に独特の世界を持った貴重なアーティストだ。透明感あふれるひじょうに美しい声によって自身の世界、空間を作り上げる。
スピリチュアル、オペラティック・ソウル、清廉、空気の透明感、時の流れのゆっくりさ、カヴァー曲の解釈力のすばらしさ。芸術度が高いライヴ。
ドラムス、ギター、ベース、キーボード、コーラス5人編成バンドを従えて本人が歌う。ギタリストがバンマスで彼だけ前回来日。ほかは初めて。
おもしろいことにセットリストは、日本独占先行発売の最新作『ボトルズ』の1曲目からすべてCD通りの順に歌う。CDは9曲なので、9曲をすべて終えると、スタンダードの「サマータイム」と、アンコールで前作からの「セプテンバー」を。後者はアースの曲とは同名異曲。ちなみに、1曲目の「セント・オブ・ア・ウーマン」はそのサビのところを観客に歌わせたりする。前回来日時に新曲として歌っていた曲だった。
9曲目でタイトル曲「ボトルズ」を歌うときに、アルバム・タイトルの「ボトルズ」の意味、コンセプトを簡単に説明。ステージでは「たとえば、幸せが欲しければ、幸せをそのボトルにまずいれてみよう。そうすれば、それが自然に出てくる。まず、ボトルにいれることが肝心。僕は愛を感じたいから、それをボトルにいれる」といったことを話した。アルバムのライナーノーツによれば、「それぞれのボトルにはそれぞれの人生が詰まっていて、それらが集まって世の中が回っているということを意味してる」ともいう。
彼のパフォーマンスを見て、聴いていると、ロバータ・フラックあたりがすごく好きそうなそれだなあ、と思った。ロバータが聞いたら、きっとアビアのこと絶賛するのではないだろうか。アビアとロバータって出会ったことあるのだろうか。インテリなところ、ちょっとダニー・ハザウェイとは違うが、その路線の声質。そして楽曲がロバータ好みではないかと思った。
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プロフェッショナル。
ところで、この日のベース奏者は日本在住の塩田哲嗣(しおた・のりひで)さん。元々予定されていたニューヨークのベース奏者が病気で来れなくなり、木曜の夜遅く、「日曜日あいているか」とギターの友人から連絡が来て、音源と曲のメモだけが届いた。金曜は自分のライヴだったので、土曜の朝から取り掛かり、夜8時からバンドメンバーとのあわせリハーサル。そして、本番日曜の昼、本番前にもう一度リハをして本番へ。シンプルに聞こえるが途中、微妙な変拍子などが入っていて、相当難しい楽曲だったそうだ。全部をすべて自分で譜面に起こして、本番をやりぬいた。見事にやり遂げていた。いやあ、プロの仕事をみせてもらいました。
ソロ回しなども、ファーストとセカンドはちょっと違っていたそうだ。
アビアと塩田さんに「二人は今まで会ったことあるの?」と訊くと、「今回、初めて。たった二日でグッドジョブだよ」とアビア。
ライヴ後はサイン会。
■前回ライヴ評
アビア~初登場: スピリチュアルな空気感を漂わせて
2013年04月27日(土)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11518793209.html
アビアのインタヴューが聴ける「ソウル・サーチン・レイディオ」第5回
インタヴュー内容文字起こしも
2013年05月01日
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11521246961.html
前回来日時ゲスト出演した『SSR(2013年4月30日放送)』の期間限定同録。
https://goo.gl/77VslJ
0時30分から20分程度、インタヴューと曲が流れます。
■セットリスト
Setlist: Abiah, September 20, 2015
Show started 20:03
01. Intro - Scent Of A Woman
02. Crazy[Beyonce]
03. Gone
04. Please Don’t Take Your Love Away
05. Sorry
06. What’s Love (Got To Do With It) [Tina Turner]
07. So In Love With You
08. Little By Little
09. Bottles
10. Summertime
Enc. September
Show ended 21:28
■MEMBERS
ABIAH(vo,p) アビア(ヴォーカル、ピアノ)
Andre Chez Lewis(p) アンドレ・シェ・ルイス(ピアノ)
David Rosenthal(g) デヴィッド・ローゼンタール(ギター)
Norihide Shiota(b) 塩田哲嗣(ベース)
Chris Eddleton(ds) クリス・エドルトン(ドラムス)
Jamie Owens(back vo) ジェイミー・オウエンス(バック・ヴォーカル)
(2015年9月20日・日曜・ブルーノート東京、アビア・ライヴ)
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