Quantcast
Channel: 吉岡正晴のソウル・サーチン
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5376

◎マーカス・ミラー@ブルーノート、ジャズとソウルの狭間に立つベースマン

$
0
0

◎マーカス・ミラー@ブルーノート、ジャズとソウルの狭間に立つベースマン

 

【Marcus Miller @ Blue Note : Bass Man Standing On The Jazz And Soul】

 

1年半ぶり。

 

ちょうどマーカス・ミラーが最新作『アフロディジア』をリリースした直後に、そのツアーを始めたのがここ東京ブルーノートで2015年2月のこと。それから1年7か月で、「ブルーノート・ジャズ・フェスティヴァル」のために再来日。急遽1日だけブルーノートでの単独公演が決まった。

 

したがってこのツアーは、すでに1年半以上、世界を周っているが、前回のメンバーで同じなのはサックスのアレックス・ハンとマーカスのみ。あとは、入れ替わった。去年の秋くらいに大幅に変わったらしい。

 

今回ドラムスは、前回のルイス・ケイトーからアレックス・ベイリーに変わった。ルイスはテレビ番組のハウスバンドの仕事が入ったために、ツアーにでられなくなったという。アレックスもバークリー出身。ケイリブはニューヨーク・ベースのキーボード、このところ売れっ子だ。

 

マーカスが「みんなモータウンは知ってるかな?」と言っても、あまり観客からのリアクションはなかったが、ちょっとだけテンプテーションズの「マイ・ガール」をベースで弾く。ソウル・ミュージックならだれでも知ってる超スタンダードだが、ジャズ・ファン、フュージョンだと必ずしもそうではないようだ。

 

たまたま僕などは、ソウルからマーカスの方に寄っていったので、こういうのが大好物なのだが、正統派のジャズ、フュージョン側から行くと、「これはなんなんだろう」ということになるらしい。かつてマーカスは僕に「ジャズ・ファンからはソウル寄りだと言われ、ソウル・ファンからはジャズ寄りだと言われ、結局、中途半端だと言われたりした」と打ち明けたことがある。

 

その時も、音楽を聴く側は意外と、特に日本人などは、ジャンルを厳格に分けて聴くが、音楽をやる側はそうしたジャンルなどを考えないで、普通にソウルやジャズの垣根を超えてしまっているんだなあ、と思った。ずいぶん昔のことだ。

 

似たようなことは1980年代初期にブラック・ロックがちょっと話題になったときにも思った。

 

この時も「マイ・ガール」のイントロと、スティーヴィーの「スーパースティション」のイントロをちょっとやったのだが、あまり受けなかった感じだ。ブルーノートに来るお客さんはフュージョン、ジャズ系の人たちのほうが圧倒的に多いということなのだろう。

 

この日はアンコールが大サーヴィスで2曲。マイルスの「トゥ・トゥ」と、ビートルズの「カム・トゥゲザー」。アース・ウィンド&ファイアーのメンバーが何人か遊びに来ていて、アンコールでアースのキーボード、マイロン・マッキンリーが飛び入りした。

 

あ、トリニダッド出身のスティール・パン奏者(日本在住)、トニー・グッピーがこの日も遊びに来ていたが、「マーカスにステージに呼ばれなかったからずっと見てたよ。もし呼ばれれば、いつでも出てったよ」と笑っていた。

 

マーカスのライヴはいつ来ても、フリーなミュージシャンシップがあふれていて、本当に楽しい。

 

{F99DED18-71AB-4A0E-91E8-5ED351C082E6}

■マーカス・ミラー最新作『アフロディジア』

 

https://goo.gl/bl33lB

 

<div class="amazlet-box" style="margin-bottom:0px;"><div class="amazlet-image" style="float:left;margin:0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00Q5A17CY/soulsearchiho-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/613nskqIy-L._SL160_.jpg" alt="アフロディジア (初回限定盤)(DVD付)" style="border: none;" /></a></div><div class="amazlet-info" style="line-height:120%; margin-bottom: 10px"><div class="amazlet-name" style="margin-bottom:10px;line-height:120%"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00Q5A17CY/soulsearchiho-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">アフロディジア (初回限定盤)(DVD付)</a><div class="amazlet-powered-date" style="font-size:80%;margin-top:5px;line-height:120%">posted with <a href="http://www.amazlet.com/" title="amazlet" target="_blank">amazlet</a> at 16.09.25</div></div><div class="amazlet-detail">マーカス・ミラー <br />ビクターエンタテインメント (2015-02-18)<br />売り上げランキング: 22,668<br /></div><div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"><div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00Q5A17CY/soulsearchiho-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div></div></div><div class="amazlet-footer" style="clear: left"></div></div>

 

■過去マーカス・ミラー関連記事

 

マーカス・ミラー・ライヴ~ワールドトラヴェラーの面目躍如(セットリスト付き)

2015年02月22日(日)

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11992570097.html

 

マーカス・ミラー・ベース・クリニック

2015年02月23日(月)

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11992837541.html

 

マーカス・ミラー・バックヤードDJセットリスト

2015年02月24日(火)

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11993597877.html

 

続・マーカス・ミラー~全ショー満席に~アルバム・ディスコグラフィー

2015年02月17日(火)

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11990783998.html

 

■          過去関連記事

 

もっとも予期せぬパフォーマンス賞=DMS~スーパー・ソウル・ジャズ・サミット

2011年09月14日(水)

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11016750001.html

 

マーカス・ミラー、マイルスに捧げる

2009年09月16日(水)

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10343499909.html

 

September 13, 2008 04:36:29

3人のスター・ベース・プレイヤーが集結

http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10138630308.html

 

December 18, 2007

Marcus Miller Live : His New Album Is “Free”, But It’s Not Free

マーカス・ミラー・ライヴ

http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071218.html

(ここに過去関連記事一覧)

 

■セットリスト

Setlist : Marcus Miller, September 18, 2016, at Blue Note Tokyo

 

Show started 20:06

01.   Run For Cover

02.   Hylife

03.   B’s River

04.   A Riff of “My Girl” (Temptations) – a riff of “Superstition” - Papa Was A Rolling Stone [Temptations]

05.   Goreé

06.   Blast

Enc.1  Tutu

Enc.2  Improvisation to Come Together (Beatles)

Show ended 21:52

 

■メンバー Members

 

Marcus Miller (b,bcl,vo) マーカス・ミラー(ベース、バスクラリネット、ヴォーカル)

Alex Han (sax) アレックス・ハン(サックス)

Marquis Hill (tp) マーキス・ヒル(トランペット)

Alex Bailey (ds) アレックス・ベイリー(ドラムス)

Caleb McCampbell (key) ケイリブ・マッキャンベル(キーボード)

 

Sitting in

Myron McKinley (Key)

 

(2016年9月18日、日曜、ブルーノート東京、マーカス・ミラー・ライヴ)

ENT>MUSIC>Miller, Marcus

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5376

Latest Images

Trending Articles