◎マーカス・ミラー@ブルーノート、ジャズとソウルの狭間に立つベースマン
【Marcus Miller @ Blue Note : Bass Man Standing On The Jazz And Soul】
1年半ぶり。
ちょうどマーカス・ミラーが最新作『アフロディジア』をリリースした直後に、そのツアーを始めたのがここ東京ブルーノートで2015年2月のこと。それから1年7か月で、「ブルーノート・ジャズ・フェスティヴァル」のために再来日。急遽1日だけブルーノートでの単独公演が決まった。
したがってこのツアーは、すでに1年半以上、世界を周っているが、前回のメンバーで同じなのはサックスのアレックス・ハンとマーカスのみ。あとは、入れ替わった。去年の秋くらいに大幅に変わったらしい。
今回ドラムスは、前回のルイス・ケイトーからアレックス・ベイリーに変わった。ルイスはテレビ番組のハウスバンドの仕事が入ったために、ツアーにでられなくなったという。アレックスもバークリー出身。ケイリブはニューヨーク・ベースのキーボード、このところ売れっ子だ。
マーカスが「みんなモータウンは知ってるかな?」と言っても、あまり観客からのリアクションはなかったが、ちょっとだけテンプテーションズの「マイ・ガール」をベースで弾く。ソウル・ミュージックならだれでも知ってる超スタンダードだが、ジャズ・ファン、フュージョンだと必ずしもそうではないようだ。
たまたま僕などは、ソウルからマーカスの方に寄っていったので、こういうのが大好物なのだが、正統派のジャズ、フュージョン側から行くと、「これはなんなんだろう」ということになるらしい。かつてマーカスは僕に「ジャズ・ファンからはソウル寄りだと言われ、ソウル・ファンからはジャズ寄りだと言われ、結局、中途半端だと言われたりした」と打ち明けたことがある。
その時も、音楽を聴く側は意外と、特に日本人などは、ジャンルを厳格に分けて聴くが、音楽をやる側はそうしたジャンルなどを考えないで、普通にソウルやジャズの垣根を超えてしまっているんだなあ、と思った。ずいぶん昔のことだ。
似たようなことは1980年代初期にブラック・ロックがちょっと話題になったときにも思った。
この時も「マイ・ガール」のイントロと、スティーヴィーの「スーパースティション」のイントロをちょっとやったのだが、あまり受けなかった感じだ。ブルーノートに来るお客さんはフュージョン、ジャズ系の人たちのほうが圧倒的に多いということなのだろう。
この日はアンコールが大サーヴィスで2曲。マイルスの「トゥ・トゥ」と、ビートルズの「カム・トゥゲザー」。アース・ウィンド&ファイアーのメンバーが何人か遊びに来ていて、アンコールでアースのキーボード、マイロン・マッキンリーが飛び入りした。
あ、トリニダッド出身のスティール・パン奏者(日本在住)、トニー・グッピーがこの日も遊びに来ていたが、「マーカスにステージに呼ばれなかったからずっと見てたよ。もし呼ばれれば、いつでも出てったよ」と笑っていた。
マーカスのライヴはいつ来ても、フリーなミュージシャンシップがあふれていて、本当に楽しい。
■マーカス・ミラー最新作『アフロディジア』
<div class="amazlet-box" style="margin-bottom:0px;"><div class="amazlet-image" style="float:left;margin:0px 12px 1px 0px;"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00Q5A17CY/soulsearchiho-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank"><img src="http://ecx.images-amazon.com/images/I/613nskqIy-L._SL160_.jpg" alt="アフロディジア (初回限定盤)(DVD付)" style="border: none;" /></a></div><div class="amazlet-info" style="line-height:120%; margin-bottom: 10px"><div class="amazlet-name" style="margin-bottom:10px;line-height:120%"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00Q5A17CY/soulsearchiho-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">アフロディジア (初回限定盤)(DVD付)</a><div class="amazlet-powered-date" style="font-size:80%;margin-top:5px;line-height:120%">posted with <a href="http://www.amazlet.com/" title="amazlet" target="_blank">amazlet</a> at 16.09.25</div></div><div class="amazlet-detail">マーカス・ミラー <br />ビクターエンタテインメント (2015-02-18)<br />売り上げランキング: 22,668<br /></div><div class="amazlet-sub-info" style="float: left;"><div class="amazlet-link" style="margin-top: 5px"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00Q5A17CY/soulsearchiho-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">Amazon.co.jpで詳細を見る</a></div></div></div><div class="amazlet-footer" style="clear: left"></div></div>
■過去マーカス・ミラー関連記事
マーカス・ミラー・ライヴ~ワールドトラヴェラーの面目躍如(セットリスト付き)
2015年02月22日(日)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11992570097.html
マーカス・ミラー・ベース・クリニック
2015年02月23日(月)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11992837541.html
マーカス・ミラー・バックヤードDJセットリスト
2015年02月24日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11993597877.html
続・マーカス・ミラー~全ショー満席に~アルバム・ディスコグラフィー
2015年02月17日(火)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11990783998.html
■ 過去関連記事
もっとも予期せぬパフォーマンス賞=DMS~スーパー・ソウル・ジャズ・サミット
2011年09月14日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11016750001.html
マーカス・ミラー、マイルスに捧げる
2009年09月16日(水)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10343499909.html
September 13, 2008 04:36:29
3人のスター・ベース・プレイヤーが集結
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10138630308.html
December 18, 2007
Marcus Miller Live : His New Album Is “Free”, But It’s Not Free
マーカス・ミラー・ライヴ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071218.html
(ここに過去関連記事一覧)
■セットリスト
Setlist : Marcus Miller, September 18, 2016, at Blue Note Tokyo
Show started 20:06
01. Run For Cover
02. Hylife
03. B’s River
04. A Riff of “My Girl” (Temptations) – a riff of “Superstition” - Papa Was A Rolling Stone [Temptations]
05. Goreé
06. Blast
Enc.1 Tutu
Enc.2 Improvisation to Come Together (Beatles)
Show ended 21:52
■メンバー Members
Marcus Miller (b,bcl,vo) マーカス・ミラー(ベース、バスクラリネット、ヴォーカル)
Alex Han (sax) アレックス・ハン(サックス)
Marquis Hill (tp) マーキス・ヒル(トランペット)
Alex Bailey (ds) アレックス・ベイリー(ドラムス)
Caleb McCampbell (key) ケイリブ・マッキャンベル(キーボード)
Sitting in
Myron McKinley (Key)
(2016年9月18日、日曜、ブルーノート東京、マーカス・ミラー・ライヴ)
ENT>MUSIC>Miller, Marcus