◎武道館で見るアース・ウィンド&ファイアー
【EWF Take Us Back In The Day】
映像。
「目を開けて」という日本語の文字がステージ後ろのスクリーンに映し出される。彼らの1974年2月全米発売のアルバム・タイトルにもなった”Open Our Eyes”を訳した言葉だ。
しばらく前から、スクリーンでの映像をふんだんに使うようになっているアース・ウィンド&ファイアー(以下EWF)のライヴ。昨年9月以来8か月ぶりの16回目の来日。
不死鳥(フェニックス)が舞い上がる映像からショーは始まる。「イントロ」から「アフリカーノ」「パワー」などで一気にオープニングを盛り上げ、一階アリーナ席は始まりから総立ちだ。
映像を多用するせいか、ドラムスなどがシークエンスで同期し、リズムがかなり機械的にきっちりしている。アップテンポの曲が多いときはこれで最近のEDM風サウンドになり、盛り上がる。このあたりが、昔のEWFとの大きな違いだ。
そして、まさに映像をふんだんに使ったパッケージ・ショーという感じもする。
EWFは1979年3月初来日した。僕はそのとき武道館3日間すべて通った。それから38年。あの時あって、今ないもの。今あって、あの時ないもの。
これだけふんだんにスクリーンを使った映像は、2017年にあって1979年にないもの。
モーリス・ホワイトがいたが、今はいない。
アル・マッケイやラリー・ダンはいたが、今はいない。
スマホ、携帯での撮影がひんぱんに行われることは、かつてなく、いまのもの。
かつてはヴァーディン・ホワイトが宙に浮き、ピラミッドがステージに上がっていったが、今はそうしたマジックはない。
どちらにもあったもの。それは天井からつられる日の丸。
しかし、スクリーンにモーリス・ホワイト、アル・マッケイらが映し出されて感無量になると、さすがに「アースはみんなの青春だった」んだなあ、と思う。
モーリスはもういないが、こうしてスクリーンに映し出されることで、その存在感が出せるというのはすごいことだ。
彼らに限らず、レジェンドたちを見ていると、「ヒット曲がアーティストを作る」ということが実に痛切に感じられる。これだけの大ヒットの連続であれば、誰も文句など言わないだろう。武道館の観客全員をタイムマシンに乗せて全員の青春時代に送り込むのだ。
3階席は空いていたが、武道館で見るアース・ウィンド&ファイアーはちょっとだけ感慨深いものがある。そこに横たわる38年の歳月。
この日は前座に日本のアイドル女性コーラス・グループ、リトル・グリー・モンスターが登場。なんとアースの後半「セプテンバー」で一緒に歌った。彼女たちにはいい経験になっただろう。
1979年の武道館に来て、2017年の武道館にも来た人はどれくらいいたのだろうか。
ふと、武道館でアル・マッケイのライヴの告知フライヤーなど配ればいいのではないかと思った。
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武道館でのライヴ評
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2004/09/05 (Sun)
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ライヴ評第2弾
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9回目の来日
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前々回のライヴ評。背中で歌うモーリスホワイト
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2002/12/01 (Sun)
Maurice White Talks
モーリスへのインタヴュー
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200212/diary20021201.html
■メンバー Members
Philip Bailey -lead vocal/percussion
Ralph Johnson - vocal/percussion
Verdine White – bass
Myron Mckinley - Keyboards *Music Director
Morris O'Connor – guitar
Serg Dimitrijevic – guitar
John Paris - drums
Phil D. Bailey - vocal
B. David Whitworth – vocal
=Earth Wind & Fire Horn Section=
Robert Burns Jr. - trumpet
Gary Bias - saxphone
Reginald Young – trombone
■セットリスト Setlist: Earth Wind & Fire
May 22, 2017 @ Nippon Budokan
Show started 19:26
01. Intro – Africago – Power - Faces
02. Boogie Wonderland
03. Jupiter
04. Yearnin’ Learnin’ – a riff of Fall In Love With Me
05. Sing A Song
06. Pride
07. Shining Star
08. On Your Face
09. Saturday Nite
10. Serpentine Fire
11. Kalimba Story – Kalimba Solo
12. Evil – a riff of Papa Was A Rolling Stone – Oye Como Va
13. Can’t Hide Love
14. Love’s Holiday
15. Head To The Sky
16. Devotion
17. That’s The Way Of The World
18. After The Love Has Gone
19. Reasons
20. September (+Little Glee Monster)
21. Let’s Groove
22. Fantasy
23. In The Stone – Chaser
Show ended 21:02
(2017年5月22日月曜、日本武道館、アース・ウィンド&ファイアー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Earth Wind & Fire
エッセンシャル・アース・ウィンド&ファイアー