〇 トランプスの「ジング~」1975年の映像発掘
【Trammps “Zing…” Saga Continues】
発掘。
伝説のフィリー・グループ、トランプスの1972年のヒット「ジング・ウェント・ザ・ストリングス・オブ・マイ・ハート」(邦題、君のほほえみは僕のメロディ)のオランダのテレビ局に残された映像が発掘された。トランプスのアール・ヤングがSNSにアップした。
これは、1975年11月28日オランダの『トップポップ』というチャート番組で放送されたもの。まだソウル系の音楽アーティストのテレビ出演が『ソウル・トレイン』以外ほとんどなかった時期で、あまり動画も残っていないため、ひじょうに貴重なものが発掘された感がある。
The Trammps - Zing! Went the Strings of My Heart • TopPop
ベース・ヴォーカルはフィラデルフィア・サウンドのかなめでもあるドラマー、アール・ヤング。
ドラマーのアール・ヤングがベース・ヴォーカルを歌う。シャネルズでは、佐藤善雄さんが歌います
この「ジング~」は、放送後の1975年12月20日オランダのトップ40で12位まで行く大ヒットとなっている。
これはオランダの放送局AVRO-TROSアヴロ・トロスに残されていた資料映像。
この『トップポップ』という番組は、1970年から1988年まで放送されたヒットチャートもの。日本で言えば、『ベスト・ヒットUSA』的な番組だ。司会者は、アド・ヴィサーという人で、彼は最初の15年間司会を務めた。アド・ヴィサーはオランダの小林克也氏か?(笑)
この番組には米英でヒットを出したアーティストたちがこぞって出演、たとえば、アバ、10CC、ビージーズ、ジャクソンズ、デイヴィッド・ボウイ、アース・ウィンド&ファイアー、ボニーM、KC&ザ・サンシャイン・バンド、シック、ドナ・サマー、ロッド・スチュワートなど多数が出たという。
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日本では、シャネルズがカヴァーしていることでも知られている。また、テレビ番組『なるほど・ザ・ワールド』のテーマ曲の元歌となったのが、この「ジング~」でもある。
トランプスのこの「ジング~」には長い歴史がある。それについての詳細は下記記事をご参照ください。
愛川欽也さん追悼~『なるほど・ザ・ワールド』テーマ曲『ジング』ストーリー
2015年04月19日(日)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-12015649061.html
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そして、この映像では、ユニークなベース・ヴォーカルを担当しているドラマーのアール・ヤングがフロントに立ってベース・ヴォーカルを歌う。では、ドラムは誰が叩いているのか、という疑問がわく。
なんとアール・ヤングによれば、これはいわゆる「口パク」(レコードに合わせて歌うもの)で、彼がベース・ヴォーカルを歌う場合、フロントに出て歌い、その場合、ドラマーは、バンド内の別のドラマー、この回はマイケル・トンプソンがドラマーの席に座った、という。
もう一人のリード・シンガーは、ほとんどの曲でリードを取るジミー・エリス。この高めの声と、アール・ヤングの低音のバランスがヴォーカル・グループとしても注目された。
なお、ジミー・エリスは2012年3月8日、74歳で死去した。
訃報とトランプスの簡単な歴史。
(速報)ジミー・エリス(トランプスのリード・シンガー)74歳で死去~「ディスコ・インフェルノ」
2012年03月09日(金)
https://ameblo.jp/soulsearchin/entry-11187542712.html
それにしても、70年代のソウル・グループの動画がオランダの放送局のアーカイヴに残っているというところがおもしろい。
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伝説の“ジング”アルバム
The Zing Album
posted with amazlet at 15.04.17
The Trammps
Kent (UK) (2000-01-01)
トランプス
posted with amazlet at 15.04.17
Sony Music Japan International Inc. (2013-10-23)
GREAT SONG STORY>Zing Went The Strings Of My Heart
ENT>ARTISTS>Trammps