◎キープ・ファンキン~サー・ジョー・クォーターマン&フレンズ・ライヴ~40年以上の歴史が繰り返す
【Keep Funkin! – Sir Joe Quarterman & Friends Live At Quatro With Roy, Ando】
サー・ジョー。
日本のファンク・シーンを牽引するオーサカ=モノレール・プレゼンツ『キープ・ファンキン!』。4年前の2014年12月に奇跡の初来日を果たした「レア・グルーヴの王者」という新たな肩書を得たサー・ジョー・クォーターマンをゲストに迎えたファンク・イヴェント。サー・ジョーが4年ぶりの再来日。そして、ボウディーズのロイ、ざ・たこさんの安藤八主博らがゲストで参戦。ちょっとしたミニ・ファンク・フェスの様相だ。
左から2番目キーボードの前で立っている中田亮、ロイ、手前センター、ジョー・クォーターマン、そのすぐ右隣りたこさん
ホスト・バンドのオーサカ=モノレールは約2時間半弱、出ずっぱりなので大変そう。
オーサカのインスト、一回目のジョー、安藤、ロイ、そして、二回目のジョー、最後全員、という構成。
サー・ジョー・クォーターマン
ゲストの3人、いずれもそれぞれいいキャラだ。ざ・たこさんの安藤さん、ボウディーズのロイさん、そして、サー・ジョー。三者三様。
安藤さんが出てくると、サー・ジョーのファンクが、かなり洗練されているものだな、とさえ感じてしまった。(笑) 安藤&中田のコケコッコー対決はそれはすさまじかった。
たこさん(安藤八主博)
ロイ&中田の「メンフィス・トレイン」「ホワッド・アイ・セイ」のデュエット、バトルもおもしろかった。特にロイのあのしわがれた声は、声だけで充分に魅力が爆発する。なんと彼は、そういう声のシンガーのものばかり聞いて、それらを真似ていたので、だんだんそういう声になったという。僕は彼のマイクだけコンプレッサーか何かが入っているのかと思った。彼は「こんなレジェンドたちとステージに上がれて、何度も泣きそうになった」と言っていた。
ライヴ後集合写真 ジョー・クォーターマンを囲んで
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歴史修正主義。
サー・ジョーの楽曲は、今でこそ「レア・グルーヴ」という言葉で紹介されるが、1970年代は普通にファンクだった。それについては、中田さんがアンコールの前に言った言葉が印象的だった。
「僕は1972年生まれなんですけど、88年か89年頃、ジョー・クォーターマンの『アイ・ガット・ソー・マッチ・トラブル・イン・マイ・マインド』を初めて聞いて、『なんや、こりゃあ!』 『なんてめちゃくちゃかっこいいんだろう』って感動して。それが、『レア・グルーヴ』です!」
会場から「わかりにくい」の言葉が。(笑) 「めちゃわかりやすく紹介してるんですけど…」。
「だから僕らはレア・グルーヴ・チルドレンなんです」
1970年代初期のソウル、ファンクのレコードが1990年代になって、それらをリアルタイムでは知らなかった人たちが新しいものと受け入れ、再度注目される。これはその20年後の、2010年代にも同じことが起こる。おそらく、こうした傾向は、そのものがいい物であればあるほど何度でも繰り返し、支持されることになるのだろう。
「今度は僕たちより若い世代が、こういうのをかっこいいと思って、繋がっていけば、それはそれでいい」
ひょっとしたら、これは新しい小さな歴史修正なのかもしれない。別に悪い意味で言っているのではなく、物事の捉えられ方が時代によって変わってしまうということだ。同じ物(レコード、CD、音楽)でも、時代によって、その時代に受け入れ側(聞く側)が若い世代になることによって、新しい意味や新しい受け入れられ方が誕生するというわけだ。ただその新しい受け入れられ方が正しくて、リアルタイムでの受け入れられ方が間違っているということにももちろんならない。その両方を正しいバランスで理解することが求められるのだろう。
最近でいえば、リロイ・ハトソンの受け方や、このサー・ジョーの受け方なども、そういう流れの中にあるのだと感じた。
(この項、続くかも)
■関連ウエッブ
オーサカ=モノレール
http://www.osakamonaurail.com/news/
ざ・たこさん・サイト
http://the-takosan.com/biography.php
ザ・ボウディーズ
■セットリスト Osaka Monaurail, Sir Joe Quarterman, Anzo Yasuhiro, Roy Live At Shibuya Quatro, December 19, 2018
[ ] denotes original artist
Show started 19:24
01. Hot Pants Road (Osaka Monaurail)↓
02. T-Bop
03. Fruit Basket
+Sir Joe Quarterman (04-06)
04. [Intro] I Got So Much Trouble In My Mind
05. This Girl Of Mine
06. I Made A Promise – Respect [Aretha Franklin, Otis Redding] – I Made A Promise
07. Quicksand (Osaka only)
+Ando Yasuhiro (08&09)
08. 猪木はそう言うけれど
09. Do The Funky Chicken [Rufus Thomas]
+Roy (The Bawdies) (10&11)
10. The Memphis Train [Rufus Thomas]
11. What’d I Say [Ray Charles]
+Sir Joe Quarterman
12. Knock On Wood [Eddie Floyd]
13. I’m Gonna Get You
14. She Called Me
15. Get Down Baby
16. I Got So Much Trouble In My Mind – including a riff of Happy [Pharrell Williams]
+All
Enc. I Know You Got Soul [Bobby Byrd]
Show ended 21:32
■メンバー
ゲスト
サー・ジョー・クォーターマン Sir Joe Quarterman (Vocal, Trumpet)
安藤八主博(ザ・たこさん)
ROY(THE BAWDIES)
オーサカ=モノレール Osaka Monaurail
中田 亮RYO NAKATA Vocal, Keyboard
淡路 泰平TAIHEI AWAJI Trumpet
向井 志門SHIMON MUKAI Tenor Sax
清水 寿朗KAZUAKI SHIMIZU
Trombone
速水 暖DAN HAYAMI Guitar
池田 雄一YUICHI IKEDA Guitar
大内 毅TSUYOSHI OUCHI Bass
木村 創生SOKI KIMURA Drums
DJ:黒田大介(kickin)
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SIR JOE QUARTERMAN & FREE SOUL
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SIR JOE QUARTERMAN
PNM (2010-09-30)
HAPPY RAYS (通常盤)(特典なし)
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THE BAWDIES
ビクターエンタテインメント (2018-12-12)
名曲アルバム~ザ・たこさん傑作選~
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ザ・たこさん
SHOUT! (2018-08-22)
STATE OF THE WORLD
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オーサカ=モノレール
キングレコード (2011-08-10)
ENT>LIVE>Sir Joe Quarterman & Osaka Monaurail, Roy (The Bawdies), Yasuhiro Ando (Takosan ), DJ Daisuke, Kuroda,
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