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Channel: 吉岡正晴のソウル・サーチン
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〇マーヴィン・ゲイ『ホワッツ・ゴーイング・オン』に次ぐお蔵入りしていた作品、47年を経て発売へ

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〇マーヴィン・ゲイ『ホワッツ・ゴーイング・オン』に次ぐお蔵入りしていた作品、47年を経て発売へ

 

【Marvin Gaye’s Unreleased Album Will Be Released After 47 Years】

 

47年。

 

不世出のソウル・シンガー、マーヴィン・ゲイが世紀の傑作『ホワッツ・ゴーイング・オン』(1971年)に続いて録音しながらも、シングル「ユー・アー・ザ・マン」が思ったほどヒットしなかったため、また、その他のさまざまな理由でお蔵入りになっていたアルバム『ユー・アー・ザ・マン』(1972年)が、47年の時を経て、一枚のアルバムとしてまとめて日の目をみることになった。

 

マーヴィン・ゲイ『ホワッツ・ゴーイング・オン』(1971年)に続くお蔵入りアルバム『ユー・アー・ザ・マン』48年を経て発売。

 

輸入盤はCDが4月26日発売、アナログ盤も2枚組でリリースされる。

 

輸入盤2019年4月26日発売1925円→ https://goo.gl/dFw6Au

 

また日本盤もCD1枚で5月8日発売。ここにはオリジナル・アメリカ盤に封入されているマーヴィン・ゲイの伝記作家、デイヴィッド・リッツが書いた日本語にして約4000字程度のライナーノーツと、音楽ライター林剛さんとキーボード奏者スウィンゴさんのアルバムについての対談(約2万字)が入る。

 

日本盤5月8日発売2700円 https://goo.gl/1MeqMU

 

音源はすでにストリーミング・サーヴィスなどにもはいっているが、ユーチューブにあがっていた。

 

音源(前半)→ https://www.youtube.com/watch?

 

https://goo.gl/842PhW

音源(後半)→ https://www.youtube.com/watch?time_continue=34&v=HAyyBbINI0s

 

全部で17曲(トラック)収録されているが、これまでに音だけは、さまざまなコンピやベスト盤などに単発的に収録され、完全な初蔵出しではない。それでも、アルバムの形となってリリースされるのは初めて、また、サラーム・レミなどによるリミックス・ヴァージョンが作られて収録されている。

 

今回も多くのモータウン作品、ジェームス・ブラウン作品などをてがけてきた「編纂王」ハリー・ワインガーがプロデュースをてがけている。

 

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なぜこのアルバムが当時ボツになったのか。

 

その一番おおきな理由が、アルバムに先がけてリリースされたシングル「ユー・アー・ザ・マン」が思ったほどヒットしなかったことだ。この1970年代初期の時代は、アメリカのレコード業界はまずシングル盤ありき、シングルのヒットがすべてという時代だった。だから、まず、シングルがヒットしないことにはアルバム制作にはなかなか進めなかった。

 

ただマーヴィンの場合は前作アルバム『ホワッツ・ゴーイング・オン』が、アルバムとして高い評価を得て、セールスも大変よかったので、この「ユー・アー・ザ・マン」が「ホワッツ・ゴーイング・オン」ほどはヒットしなかったとしても、アルバム・リリースにはつながってもよさそうではある。だが、そこがリリースにつながらなかったのは、マーヴィン本人がアルバムに納得しなかったのか、モータウンとしてやはり売れそうにないと判断したのか、その両方だったのかもしれない。

 

当時、「ユー・アー・ザ・マン」は、僕はFENのソウル・ショーで聴いた。確かに、「ホワッツ・ゴーイング・オン」ほどのインパクトはなかった。ただ、このシングルのあとにアルバムが出ると見られていたので、アルバムを期待したが、いつのまにかそれが立ち消えになり、それからだいぶ経って、次のアルバム『トラブル・マン』が出た。それで、すっかりこの「ユー・アー・ザ・マン」は忘れてしまった。

 

今回このような形で、未発表作品が日の目を浴びたことは嬉しいところだ。

 

(この稿、つづく)

 

ENT>ARTIST>Gaye, Marvin

 

 

 

 

 

-2100

 

 

 


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